試合レポート

龍谷大平安vs乙訓

2020.10.04

龍谷大平安が5年ぶりの秋王者に輝く

龍谷大平安vs乙訓 | 高校野球ドットコム
3安打2打点の活躍を見せた辻村大我(龍谷大平安)

 龍谷大平安が5年ぶりに秋の京都王者に輝いた。

 先発を任されたのは公式戦初先発となった背番号20の左腕・松岡夢貴(2年)。初回に適時打を浴びて先制点を献上するが、右打者のインコースを大胆に突く投球で、乙訓に追加点を与えない。

 打線は2回表、一死一、三塁から8番・南野倫平(1年)の右前適時打で同点に追いつくと、3回表には一死一、二塁から6番・辻村大我(1年)が左前適時打を放ち、勝ち越しに成功した。

 これで試合の流れを掴んだ龍谷大平安は4回表にも4番・高田英治(2年)と辻村の適時打で2点を追加。6回表にも相手の失策で1点を加え、常に試合の主導権を握り続けた。

 悪い流れを変えたい乙訓は6回裏に連打で一死一、三塁のチャンスを作り、松岡をマウンドから引きずり降ろす。ここで8番・北見隆侑(2年)は三振に倒れるが、見事に重盗を成功させて三塁走者の荒木大輝(2年)が生還。足技で1点をもぎ取った。

 しかし、それ以降はリリーフした林慎之介(2年)が安定した投球を見せ、リードを守り切った龍谷大平安が勝利。市岡奏馬(現明大)や小川晃太朗(現同大)らを擁した2015年以来となる秋季大会優勝を飾った。

 6月に全体練習を再開してから夏の独自大会を終えるまで3年生メインで練習していたこともあり、「僕は間に合わないと思っていた」と原田英彦監督は秋の戦いに不安を感じていた。休校期間を埋めるために例年より夏休みが短くなった影響で練習試合も6校ほどとしか組むことができず、実戦不足のまま大会を迎えていた。

 不安要素が多い中でも絶対的エース不在ながら複数の投手で繋ぎ、打っても6試合で63得点と高い攻撃力を見せつけた。「芯になるピッチャーもいなかったので、打たないと勝てないと言ってきました。短い練習の中でよく打ったと思います」と原田監督は打撃陣の奮闘を讃えた。

 昨年からレギュラーを務める選手がほとんどいない中で優勝を勝ち取ったのは、さすが名門といったところだろう。強豪揃いの近畿大会でも堂々たる戦いを繰り広げてくれることを期待したい。

(記事=馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.30

【春季栃木県大会】夏への布石が着々と成果を挙げた! 文星芸大附が堅い守備で完封勝利!ドラフト候補・堀江は最速146キロをマーク

2024.04.30

大阪大などに卒業生を輩出する進学校・三国丘  文武両道を地で行く公立校は打倒・強豪私学へ「何かしてやりたい」

2024.04.30

【北海道】昨秋優勝の旭川実と春季連覇中の旭川明成が初戦で激突!<春季全道大会支部予選組み合わせ>

2024.04.30

【岩手】宮古、高田、久慈、久慈東が県大会出場へ<春季地区予選>

2024.04.30

【春季愛知県大会】享栄がまとまりの良さを見せて、豊川に完封勝利で決勝進出

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.28

【広島】広陵、崇徳、尾道、山陽などが8強入りし夏のシード獲得、広島商は夏ノーシード<春季県大会>

2024.04.28

【岡山】関西が創志学園に0封勝ちして4強入り<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける