市立川越vs北本
市立川越、粘り勝ちで3年ぶりのベスト16
先発・石田陵馬(市立川越)
ほとんどのチームがそうだが、市立川越もこの夏は3年生中心だっため、入れ替わり。その中でも伊奈学園を破ってきた北本相手に試合を優位に進めた。北本はこれまで鷲宮を率いてきた柿原実監督が率いてチームを強化してきた。
北本の先発マウンドに登ったのは小櫃辰也(おびつ・1年)。この秋の公式戦の勝利してきた1年生左腕の立ち上がりをとらえ、一死満塁のチャンスから5番高橋翔太の2点適時打で2点を先制。さらに4回表にはエース・石田陵馬の適時三塁打、8番浅井 祐輝の中犠飛、5回表には一死から2番当麻 雄大の安打からチャンスを作り、4番渡邉 晴太の左前適時打で5点目を入れる。
だが北本も粘って、8回裏に5番菅野 直洋の右前適時打と押し出し四球で2点を返し、9回裏にも菅野が適時二塁打を放って、2点差まで追いつくが、市立川越の先発・石田 陵馬は181センチ80キロと恵まれた体格を生かし、角度のある投球フォームから最速132キロといわれるストレートは、125キロ前後を計測。
さらにスライダー、カーブを低めに投げ分け、完投勝利を挙げた。伸びのあるストレートを投げることに自信がある石田は日々のピッチング練習で動画を撮影してもらいながら、伸びのあるストレートを投げる形を追求してきた。まだ粗削りではあるが、ポテンシャルから見て、いずれ140キロを超える可能性を持った投手だ。
市立川越の新井監督は「守備のミスも多く、指揮する側としては胃が痛くなるような試合ばかりです。まだいいとはいえませんが、石田が粘れたのは収穫です」と内容が良い試合展開ではないが、その中でも一歩ずつ勝ち進んでいることについては前進しているといえる。
一方、敗れた北本の柿原実監督は「ヒット数は上回っても、野球はヒットの本数ではなく、点を取るスポーツなので、満塁のチャンスで三振に終わったり、まだ攻撃の面で課題が残ります。この試合でもヒットエンドランを仕掛けましたが、やはり走塁は磨いていきたいと思っています」と走塁面の強化を課題に挙げた。
(取材=河嶋 宗一)