滋賀学園vs近江兄弟社
滋賀学園が近江兄弟社に8回コールド勝ち!4番・阿比留が決勝弾を放つ
3回裏に決勝弾を放った阿比留颯太(滋賀学園)
滋賀学園は1回裏、連打で無死一、三塁とすると、3番・武川廉(3年)の併殺の間に1点を先制する。その後二死一塁から5番・銘苅隼人(3年)の適時三塁打で1点を追加。さらに一、二塁から7番・遠山虎太郎(3年)が適時二塁打を放ち、初回に3点のリードを奪った。
対する近江兄弟社もすぐに反撃を始める。2回表に一死一、二塁から7番・栗田空の中前適時打で1点を返すと、一死満塁から相手の失策の間にもう1点加え、1点差に詰め寄った。
さらに3回表には一死三塁から5番・犬丸廉也(3年)が右犠飛を放ち、同点に追いついた。
しかし、滋賀学園もすぐに引き離す。この回先頭の4番・阿比留颯太(3年)が2ボール1ストライクから高めに浮いたスライダーを捉え、中堅手の頭上を越えるソロ本塁打を放った。
「日頃から低くて速い打球をチームで徹底していて、そのヒットが延長でホームランになって良かったです」と自らの打球を振り返った阿比留。昨年まではレギュラーではなく、山口達也監督の評価も「ベンチ入りするかしないかの選手」というものだった。しかし、6月に大阪桐蔭との練習試合で本塁打を放って、チャンスを掴むと、ここまで4番打者として見事な働きを見せている。最後の夏にレギュラーを勝ち取った新主砲の一振りで流れは一気に滋賀学園に傾いた。
滋賀学園先発の長田宙大(3年)は4回に足が攣ったこともあり、5回から阿字悠真(2年)にスイッチ。昨秋の1年生大会優勝に導いた本格派右腕は要所を抑える投球を見せ、近江兄弟社に得点を与えない。
滋賀学園は6回裏と8回裏に3点ずつ加えて、8回コールド勝ち。3年連続で夏の4強入りを決めた。
準決勝では5季連続優勝を続けている近江と対戦する。「近江一強が続いているので、何とかそこを倒したいと思います。粘っこい野球がずっと今大会はできていますから、もう一回それをやりたいと思います」と打倒・近江に向けて意気込んだ山口監督。近年の滋賀学園は近江戦が鬼門となっており、何とか意地を見せたいところ。滋賀を代表する強豪私学対決はどのような結果になるだろうか。
(取材=馬場 遼)