近江vs草津東
近江が土田の逆転打で8強進出！
3回表に逆転打を放った土田龍空（近江）
近江が序盤にリードを許しながらも逆転勝ちで8強進出を決めた。
近江の先発は初戦に引き続きエースナンバーの田中航大（3年）。「この前に比べたら抜け球が多かった」（多賀章仁監督）と6回無失点に抑えた光泉カトリック戦ほどの出来ではなかった。1回裏に二死二塁から4番・石津翔伍（3年）に適時二塁打を浴びて、先制を許してしまう。
先制点を奪った草津東は打倒・近江の秘策として、4人の投手を1巡ずつで継投する策に打って出た。「気持ちで投げる投手」と藤木泰仁監督が評する先発の毛利仁（3年）は2回3分の2を投げて被安打1で無失点の好投。「期待通りに投げてくれたので、頼もしかったです」（藤木監督）とスターターとしての役割を見事に果たした。
打者が一巡したところで藤木監督は安藤駿希（3年）を迷いなく投入したが、近江は安藤から連打で二死二、三塁のチャンスを作る。ここで3番の土田龍空（3年）の中前2点適時打で逆転に成功。初戦は無安打に終わった土田だが、この日は第1打席に続いて安打を放ち、存在感を示した。
近江は4回表にも1番・鈴木脩太（3年）の2点適時打でなどで3点を追加。これで試合の流れを作った近江が草津東の反撃を交わして、準々決勝進出。9回に登板した島瀧悠真（2年）も5球で三者凡退に抑え、健在ぶりをアピールした。
「どんなゲームでも全てを出し尽くしたと思って終わってほしいです。これが最後の打席だと思って3年生がやるところに一つの奇跡が生まれるんですよ。プライドを持ってやってほしいですが、そういうのが見えないですね」と試合後に語った多賀監督。ベスト8進出にも選手たちの試合に取り組む姿勢には満足できていないようだ。
今大会は試合ごとにメンバーの入れ替えが許されるため、初戦からベンチ入りメンバーを数人代えてきたが、32人の3年生に全員ベンチ入りを経験させるためには決勝まで勝ち進む必要がある。そうした意味も込めて、指揮官は最上級生の奮起を促していた。
この日の土田は決勝打を放つなど、5打数2安打2打点1盗塁の活躍。「タイミングの取り方はまだまだだったんですけど、間がしっかり取れていました」とまだ本人にとって満足のいく内容ではないが、徐々に状態を上げている。これまで以上に厳しい戦いとなる準々決勝以降で、より高いパフォーマンスを発揮してくれることを期待したい
（取材＝馬場 遼）
