智辯学園vs関西中央
元控え選手の活躍で智辯学園が5回コールド勝ち
1回裏に先制3ランを放った大橋誠斗（智辯学園）
智辯学園は投打で関西中央を圧倒し、5回コールドで準々決勝進出を決めた。
智辯学園は1回裏、一死一、二塁から4番・大橋誠斗（3年）が左中間に3ラン本塁打を放ち、先制点を挙げる。大橋はこれで2試合連続の本塁打。秋は後輩の前川右京（2年）にポジションを譲っていた選手がここにきて、調子を上げてきた。卒業後は大学で野球を続ける予定だが、「4年後にプロに行ってもおかしくない存在になってきた」と小坂将商監督は彼の潜在能力を高く評価している。甲子園での交流試合も彼の存在によって、スタメン争いが激しくなってきた。
さらに二死一、二塁とチャンスは続き、ここで公式戦初スタメンの8番・錦織拓馬（3年）がこちらも左中間に3ラン本塁打を放ち、追加点を挙げる。昨年まで公式戦の出場はなく、2回戦に途中出場が公式戦初出場だった錦織。これまで出場機会に恵まれない高校野球生活を送っていたが、「必ずチャンスが来ると思っていたので、その時に力を出せるために日頃から自分のやるべきことをやっていました」と最後の夏にその努力の成果が報われる形となった。
その後も4回に1番・三田智也（3年）の2ラン本塁打が飛び出すなど、毎回得点で4回までに11点を奪ってワンサイドゲームに持ち込んだ。投手陣も先発の小西雄馬（3年）が4回1安打に抑えると、5回は荒川翔太（3年）が三者凡退で締めて、関西中央の反撃を封じ込めた。
この日は下級生にレギュラーを奪われていた大橋と錦織が結果を出した。智辯学園は3年生だけで独自大会に臨んでおり、それによって出場機会を得た二人が見事な活躍を見せている。「2年生に頼りがちと世間に言われて悔しい想いがあったと思うので、2年生がいなくても、3年生で勝てるということでやっています。ベンチワークも良いですね」と小坂監督は3年生の団結力を高く評価している。後輩の力を借りずに戦う智辯学園が秋に続いて奈良の頂点に立つことができるだろうか。
（記事＝馬場遼）
