南部工vs向陽
野球は9回から!南部工大逆転で二回戦へ
9回の攻撃に湧く南部工ナイン
個々の力では沖縄向陽に勝る沖縄南部工だが、沖縄向陽與座の巧みな投球に翻弄。だが9回、沖縄南部工にとって痛快な逆転劇が待っていた。
向陽與座が最高のピッチング
沖縄南部工は1回、一死一塁から3番島袋航太がレフトへの二塁打を放ち二・三塁と先制のチャンスを掴む。ここで4番高嶺秀吾がセンターへ打ち上げるが、ここは沖縄向陽のセンター外間琢也が本塁へ素晴らしい送球。キャッチャー宮里健史郎も主将として点を与えないぞという気迫のブロックで、沖縄南部工のチャンスを潰した。
すると沖縄向陽は3回、1番平田賢士朗のヒットなどで二死一・二塁。ここで次打者の辺りはショートへ。これを相手がエラーする間に二塁走者が生還。さらに相手外野手の送球が逸れる間に、三塁へ到達していた一塁走者も本塁へ。打者6人1安打ながらも、相手のミスを見逃さない走塁で沖縄向陽が貴重な2点を奪った。
9回、眠っていた南部工打線が爆発
「逆転されたあとは嫌な雰囲気がずっと続いていました。」130km台の力あるストレートで、3回の2失点のみに抑え続けた沖縄南部工大城友樹。エースの頑張りに打線が応えない訳にはいかない。その機会が訪れたのは、追い詰められた9回だった。
沖縄南部工は2番玉城恭也と島袋航太に連打が出ると次打者が四球を選び無死満塁。ここで大城友樹がタイムリーを放つとベンチは湧きに湧く。金城蓮、山城尚平、川端史琉と4打者連続タイムリーで4点を奪い逆転に成功。最後は大城友樹が三者凡退に斬り沖縄南部工が二回戦へとコマを進めた。
「いつもなら追加点を奪っている中盤以降に、得点出来なかったのが痛かった。」と、沖縄向陽主将宮里健史郎。しかし、先発の與座光は7回打者25人に対し5安打も要所を締める9奪三振。球速は110km台だが、低めに決まる切れ味鋭い変化球で、沖縄南部工打者のバットに空を斬らせ続けた。
結果的に三年生に勝利をもたらせることが出来ず、試合後に涙を見せていた沖縄向陽二番手神里心優も、120km後半のストレートで8回の沖縄南部工に対し三者凡退斬りを魅せるなど、確かな足跡を見せた沖縄向陽ナインだった。
(取材=當山 雅通)