安田学園vs都立青山
安田学園、初回の2ランがそのまま決勝点となり1点差逃げ切り
安田学園・角田匠君
先週の台風19号の被害からの回復も完全には消えていないのに、またしてもこの週末な雨に見舞われた。前日からの雨が朝方まで残ってしまった。それでも9時頃には雨は止んだということで、試合開始時刻を1時間20分遅らせての開催となった。
都立青山は杉浦君、安田学園は角田君、ともに背番号1を背負った両投手の先発となった。
初回、都立青山は一死から永井君、戸谷君、青柳君と3連打で一死満塁とした。しかし、ここから角田君が踏ん張って2人を右飛で抑えた。犠牲飛球になるにはちょっと浅い打球でもあった。結局都立青山はこの好機を得点することが出来なかった。
そしてその裏、安田学園は先頭の中村君が四球で出ると2つのバントで二死三塁とする。ここで4番安藤君だったが、思い切りよくスイングした打球は左翼席へ入る2ランとなった。安田学園の森泉弘監督も、「今年のチームの中では、唯一パンチ力がある選手」ということだが、結果的にはこの2ランがそのまま決勝点になってしまった。
都立青山は4回に先頭の宮本君がしっかりと芯でとらえて左越ソロを放って追い上げるものの、結局、得点となったのはこれだけだった。
試合はそのまま、杉浦君と角田君の投げ合いという形で進んでいって9回。安田学園としては1点差を逃げ切るしびれる守りとなったが、先頭の青柳君を内野ゴロ送球ミスで生かしてしまう。その後、二死は取ったものの、都立青山は代打長谷部君が内野安打でつないで一二塁。
さらに8番にも代打中島君だが、起用に応えて右前打。中島君も右前へ運んで2塁走者の青栁君は本塁を狙ったものの、右翼手の安藤君か好返球で本塁憤死。これで試合終了となった。安藤君は、攻守にいいところを見せて、まるでワンマンショーみたいな活躍だった。
薄氷を踏む思いの勝利に、森泉監督は「秋の大会らしい試合でしたね」と苦笑。「まずは守備でしっかりとしたチームをと思っていたのですが、守るだけのチームになってしまいました。4安打だけですからね、そのうち安藤が本塁打含めて2本でしょ。それでも、こうして勝ったということでまた次がありますから、一つひとつ試合をしながらチームを作っていくことになるのでしょうね」と、戦いながらのチームの成長をしていくという思いである。それでも、角田君に関しては、「しっかりと投げられていた」と合格点は与えていた。
2年生12人に1年生2人という布陣で戦った都立青山。各打者が思い切りのいいスイングで、安打数でも安田学園を上回っていたが、初回と9回の得点チャンスを生かし切れなかった。木島克彦監督は、「ちょっと、もったいない試合でしたね。勝てるチャンスはいくつかあったと思います」といくらか悔いはあったという感じだった。
それに、1年生が2人しかおらず、「来年は新入生をしっかりと集めないと大変です。毎年(中学時代の)野球経験者は全体で10~15人くらい入るんですけれども、ラグビー部などに取られたりして集まらないことがあるんです」と、来年の部員勧誘を含めて、これから春へ向けてやるべきことが多いようだ。
(文=手束 仁)