京都国際vs嵯峨野
京都国際が6回コールド勝ち!ドラフト候補・上野は4安打4打点の活躍
甲子園初出場を目指す春優勝の京都国際が嵯峨野を6回コールドで破り、準々決勝進出を決めた。
京都国際は1回表、主将でドラフト候補の上野響平(3年)が先頭の打席に入る。上野は1ボール1ストライクからレフト前に運び、1番打者としての仕事を果たした。続く2番・中村泰河(3年)の中前安打で無死一、三塁とすると、3番・福岡茉倫(3年)の犠飛で1点を先制する。
さらに一死一塁から今大会初出場の4番・早真之介(2年)が左中間への適時打を放ち、1点を追加。早は開会式前日の7月5日にバント練習で左手の人差し指を骨折。大事をとって2回戦、3回戦はスタメンから外れていたが、復帰初打席で結果を出して「安心しました」と安堵の表情を見せた。
いきなり2点の援護を貰った京都国際先発の入海勇太(2年)は「チェンジアップとスライダーが良かった」と変化球が冴え、三者凡退と最高の立ち上がりを見せる。
京都国際は2回表に中村の2点適時打で2点を追加。3回表にも8番・森下結翔(2年)の適時内野安打で1点を追加すると、一死満塁から上野がレフト線を破る走者一掃の3点適時三塁打を放ち、早くも8点のリードを奪う。
3回まで無安打に抑えられていた嵯峨野は4回裏に2番・夜久聡志(2年)がチーム初安打となる内野安打で出塁するが、牽制で刺されてチャンスを広げることができない。
京都国際は5回表に1点、6回表に3点を加えて嵯峨野を圧倒。6回コールドで悠々とベスト8進出を決めた。
この日の上野は5打数4安打4打点の大暴れ。6月以降に11本塁打と長打力のついた上野だが、春以降は「投手の球種や自分の合っているタイミングのボールを色んなことを考えて打っています」と外野の守備位置や相手投手の特徴に合わせて打つ方向を決めるという器用さも身につけた。課題だった打撃に磨きをかけたことで目標のプロ入りに着々と近づいている感はある。後は甲子園に出場してアピールできれば評価も上がってくるのではないだろうか。
難なく8強まで進んだ京都国際だが、「まだまだ得点を取りきれた部分はある。ここから上で勝てるように練習してきたので、引き締め直します」と小牧憲継監督に慢心は一切見られない。投手の二枚看板である酒井海央(3年)と生駒拓也(3年)をこの日は温存して準備は万全。ここからの激戦を勝ち抜いて悲願の甲子園初出場を目指す。
(文:馬場 遼)