鶴見vs横浜南陵
経験者が多く残る横浜 神奈川大附を5回コールドで下して上々の滑り出し
秋季神奈川県大会地区予選は17日、鶴見と横浜南陵が激突した。秋の経験は春以降に大きな差となるため、互いに少しでも長く試合を続けたい。そんな中でこの試合は非常に引き締まった投手戦となった。
鶴見の先発は背番号8を背負う伊藤羽翼。コンパクトなテークバックから投げ込む直球は、決して驚くようなボールではないが、低めやコーナーに丁寧に投げ込むことで横浜南陵打線を手玉に取っていく。
対する横浜南陵の先発は背番号1の青山直輝。インステップするフォームが特徴的であるが、投げ込むボールには非常に切れがあり、思わず目を引かれるものがある。またスライダーも斜めに割れるような変化をし、十分に空振りが奪えるボールだ。
両投手の投げ合いにより、試合は4回まで0対0と互いに譲らない展開となった。
だが後半戦を前にした5回、試合はようやく動いた。
鶴見は二死二、三塁のチャンスを作ると、飛び出した三塁ランナーをキャッチャーが刺殺を試みるが、この送球が逸れてランナーがホームへ生還。さらに二死三塁とチャンスは続き、ここで4番の大谷渉太がセンター前へタイムリーヒットを放って追加点を挙げる。
この回に2点を挙げ、これで試合の主導権は横浜南陵が握った。
点差はたった2点で、横浜南陵にも逆転のチャンスは十分に残されているように思えるが、それでも伊藤の快調なピッチングで横浜南陵打線は凡打の山を築き、次第に焦りの色が見え始める。8回裏には吉住のタイムリーで1点を返すが、後続が打ち取られて挙げたのはこの1点のみ。
結局試合は2対1で鶴見が勝利し、ブロック予選の初戦を勝利で飾った。
横浜南陵は敗れはしたが、エースの青山ピッチングは見事な投球であった。まだまだ課題も多いが、それでもそれ以上に魅力も多くのも事実。これから体力と技術をより磨き、来年には神奈川の注目選手と言われるまでになって欲しい。
(記事=編集部)