松山聖陵vs小松
松山聖陵、4試合連続コールド勝ちで決勝へ
8回118球7安打1四球9奪三振2失点完投の松山聖陵・平安山 陽(2年) 写真提供:Ehime Photo Sports
試合の主導権を握ったのは3年ぶりの2度目の夏、春夏連続甲子園を目指す第1シード・松山聖陵だった。1回裏一死満塁から高校通算13本塁打の5番・大村 侑希(3年・左翼手・185センチ84キロ・右投右打・松山市立雄新中出身)が「試合前にみんなで映像を見ている」と話した試合前コメント通り、愛媛小松先発左腕・明石 尚輝(3年・173センチ79キロ・左投左打・今治市立伯方中出身)の高めに浮いたストレートを左翼線に運び2点を先制すると、4回裏には二死一・三塁から2番・市川 尚輝(3年・右翼手・177センチ70キロ・右投左打・松山市立高浜中出身)の遊撃手背後に落とす安打と、3番・折田 玲(3年・中堅手・171センチ68キロ・美蹴館ヤング<兵庫>出身)の中越三塁打で3点を追加する。
そんな松山聖陵打線の援護に最速142キロ右腕・平安山 陽(2年・177センチ80キロ・右投右打・名護市立大宮中<沖縄>出身)も完ぺきにシンクロする。この日は最速141キロ・常時130キロ後半をマークしたストレートと宝刀スライダーに加えチェンジアップや「左打者に逃げるボールが欲しかったので、夏を前に覚えた」130キロ前半のツーシームもコースに決まり7回までに9奪三振。これには4球団が詰めかけたNPBスカウト陣からも「コントロールがいいし、2年生としては十分」との声が漏れていた。
一方、5年ぶり2度目の夏甲子園を目指した愛媛小松は8回表二死一・二塁から4番・永易 愛士(3年・中堅手・177センチ76キロ・右投右打・新居浜市立川東中出身)が左越2点二塁打を放ち意地を見せたが、その裏には4回裏二死から無失点を続けてきた2番手・福中 偉武紀(3年・180センチ72キロ・右投右打・ヤング佐用スターズ<兵庫>出身)が力尽き4失点。最後は二死満塁から「僕は福中と中学時代によく対戦していたし、彼がインコースを突いてくると思っていたのでそこを狙って振りぬいた」折田の右翼線走者一掃三塁打により8回コールド勝ちを収めた松山聖陵が、大会初登場の2回戦から準決勝までの4試合をすべてコールドで決勝戦へと駒を進めた。
(レポート=寺下 友徳)