城北vs都立戸山

　[stadium]明治神宮第二球場[/stadium]での第1試合は、都立戸山と城北が対戦した。都立戸山は秋、春とブロック予選で敗れ、また城北も東京都大会では1回戦で敗れている。まずは初戦を取り、上位進出に向けて勝ち上がっていきたい両校。

　試合は、序盤から都立戸山のペースで試合は進んでいく。
　先制は2回裏、都立戸山は一死三塁の場面から、8番・青柳美勝がライト前タイムリーヒットを放ち、三塁ランナーが生還。欲しかった先制点を挙げる。

　さらに6回裏、都立戸山は一死一塁から7番・木村太一が右中間を破るツーベースヒットを放つと、1塁ランナーの柳達心が一気にホームまで生還する。中盤に追加点を挙げ、都立戸山が試合を優位に進めていく。

　「試合の前半はかなり硬さがあり、ウチのやりたい野球が出来ませんでした」
　試合後にそう語ったのは、城北の門多元監督だ。前半は相手にペースを握られていた城北だったが、試合が終盤に差し掛かると城北も力を発揮し始める。

　7回表、城北は相手のワイルドピッチから1点を返すと、なおも二死二塁の場面で相手野手のエラーにつけ込み、二塁ランナーの石黒達海が一気にホームまで返ってくる。

　これで同点に追いついた城北は、ここから一気に畳みかける。二死二塁から、2番・村上真一郎が右中間を破るタイムリーツーベースを放って逆転に成功すると、城北は9回にも2本のタイムリーで3点を追加する。
　終盤の集中打で、城北は都立戸山を一気に突き放した。

　投げては先発のエース・村上真一朗が、粘りの投球を見せる。試合後にも「決して調子は良くなかった」ことを明かし、我慢の投球が続いたが、制球力が乱れることは決してなく、丁寧な投球で都立戸山に主導権を渡さなかった。

　試合は結局、6対2で城北が会心の逆転勝ちを収めた。
　試合後、城北の村上は安堵の表情を浮かべ、試合を振り返った。

　「自分も含めて、序盤はチームがかなり硬かったと思います。球の走りもよくありませんでしたが、コントロールは間違うことなく投げれたと思います。チームが逆転した時は嬉しかったですね」

　そんな村上には、指揮官も絶大な信頼を寄せる。門多監督は村上の投球を手放しで褒め、終盤の集中打についても納得の表情を見せた。

　「このチームは村上のチームです。粘り強くよく投げてくれました。
打線も序盤は大振りが目立っていましたが、後半はコンパクトにスイングが出来ていたと思います。球数も投げさせていたので、後半にチャンスはあると思っていました」

　城北は3回戦で、大森学園と大東文化一の勝者と対戦する。次の試合でも、村上を中心とした粘りの野球を見せることが出来るか注目だ

文＝栗崎 祐太朗

2019年　第101回全国高等学校野球選手権大会東東京大会
■開催期間：2019年7月7～7月27日（予定）
■組み合わせ表【2019年　第101回全国高等学校野球選手権大会東東京大会】
■展望コラム【【東東京大会展望】二松学舎大附の夏三連覇を阻むチームは現るか？東東京大会を徹底解剖！】