試合レポート

都立桜修館vs目黒日大

2019.07.08

都立桜修館が悪天候の中、目黒日大との激闘を制す!

 細かい雨がパラパラと振る中、試合開始。[stadium]大田スタジアム[/stadium]は人工芝ということもあり、他球場より比較的グラウンドコンディションが良い為、試合が行われたようだ。
 両チーム共に毎回出塁するものの、なかなかホームを踏むことが出来ない歯がゆい展開が続いた。試合は4回までスコアボードに0が並ぶ見事な接戦だった。

 初めに試合が動いたのは5回裏、後攻・目黒日大の攻撃。この回先頭、9番小西 歩夢が右中間を破る二塁打を放ち無死二塁とすると、続くバッター1番櫻井 聖大も右中間を破る二塁適時打を連続で放ち、9番小西をホームに返すことに成功し0対1に。

 さらにこの後試合が動いたのが8回。8回から急速に雨が強まり、加えて風も吹くなど徐々に天候が悪くなっていく。気温も下がり、観客たちも各々レインコートを身に着けたり折り畳み傘を拡げるなど対策に講じていた。天候とは反対に、試合の熱は最高潮になっていた。

 8回表、1点を追いかける都立桜修館の攻撃。この回先頭、試合序盤から攻めた攻撃と俊足を見せていた9番今村 友哉が四球を選び無死一塁。続く1番長良 拓真のバントが内野安打になり無死一二塁とチャンスをつくる。

 [この後二死から4番泉 勝人が死球で出塁し二死満塁の都立桜修館がこの試合最大のチャンスを迎える。ここで打席に立つのはチームのエース、5番赤木 聡太。赤木の打席2-2のカウントで目黒日大バッテリー間でエラー、待望の1点をもぎ取る。

 赤木がフルカウントからサードゴロを放つ。これが凡打になるかと思いきや、目黒日大三塁手・小西がファーストへ悪送球。さらに走者2人がホームに返り逆転。3対1となり、一気に逆転に成功し、試合の流れを引き寄せたかに思えた。


 8回裏、目黒日大もここで粘りを見せる。この回先頭3番酒井 晧哉がライト前安打で出塁。一死から5番竹内 大宙の犠打で二死二塁とすると、途中出場の6番大澤 翔が死球となり二死一二塁。7番ファースト藤井 勇陽がライト前安打を放ち二死満塁とチャンスを拡大。

 チャンスの場面、打者は途中出場の8番阿部 太郎都立桜修館ナインもマウンドに集まり、気持ちを切り替える。打者・阿部に対して都立桜修館エース赤木が気迫のピッチングを見せる。外角コースギリギリの際どい投球に加えて緩急を使ったピッチング。しかし、阿部も粘りを見せる。フルカウントから四球を選び、押し出しの2点目。

 なおも二死満塁のチャンス9番小西も四球を選び、さらに押し出し3点目で3対3と目黒日大が同点に追いついた。

 8回、マウンドのコンディションも悪いようで、何度も両チーム投手が強く地面を踏みつけるなど、足元を気にする仕草が見られた。バッターもバッターボックス上で地面に足を取られ滑っている様子で、思うようにフルスイングが出来ないようだった。
 それでも9回、雨はさらに強さを増していく。

 9回表、都立桜修館の攻撃、7番レフト石塚 翔一がレフト前に鋭い打球を放ち出塁すると、8番牛山 旺介の犠打で一死二塁。ここから三者連続の四球で押し出しにより1点追加し4対3と、再び都立桜修館目黒日大を離しにかかる。

 雨が強まったせいか足元も非常に悪く、ボール自体も滑っているようで、制球が定まらない両チーム投手。

 

 3番田中 智揮のレフト前適時打で更に2点を追加し、この回3点目で6対3。なおも一死二三塁、4番泉が四球を選び一死満塁とチャンスは続く。5番赤木の放ったサードゴロをトンネルエラー。この間に走者2人が更にホームイン、8対3。
 6番柿田 真吾の死球により再び一死満塁のチャンスで7番石塚がレフト頭上を越え、フェンス直撃の二塁適時打を放ち10対3。更にこの後も1点を追加し11対3と目黒日大を突き放した。

 

 9回裏、8点差を追いかける目黒日大。

 2番油井 佑樹が四球を選び無死一塁とすると二死からの二者連続四球で満塁の場面が訪れると、7番藤井のセンター前安打で走者2人が生還、11対5。
 二死からの目黒日大の追い上げはまだ止まらない。盗塁と四球で再び二死満塁のチャンスをつくると、9番小西のライト前適時打で走者2人が生還、11対7。

 

 なおも二死一三塁から四球で二死満塁、目黒日大都立桜修館両チームのアルプスの観客も緊張した面持ちで、一球一球に歓声が上がっていたように思う。

 

 2番油井の死球により押し出しで走者1人が生還し5点目を追加、11対8。しかし、目黒日大の驚異の追い上げもここまで。
 3番酒井がセンターフライに倒れ、3時間越えの初戦は幕を閉じた。

 

 試合後、雨の中激闘を演じた両チームに観客から温かい拍手が送られた。また、この試合の後行われる予定だった第3試合、攻玉社vs都立鷺宮の試合は雨天により中止となった。

 

 見事初戦に勝利した都立桜修館は10日水曜日、[stadium]江戸川区民球場[/stadium]で行われる都立葛飾野との2回戦に挑む予定。3回戦に進出すれば東東京大会第一シード、関東一との対戦が待っている。

 

文=編集部

2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会東東京大会
■開催期間:2019年7月7~7月27日(予定)
■組み合わせ表【2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会東東京大会】
■展望コラム【【東東京大会展望】二松学舎大附の夏三連覇を阻むチームは現るか?東東京大会を徹底解剖!】

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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