試合レポート

朋優学院vs文教大付

2019.07.07

中盤で一気に突き放した朋優学院、3年ぶりの夏の勝利で3回戦へ

 第2試合が開始された頃から、小雨が降り始めた[stadium]明治神宮第二球場[/stadium]。雨脚こそ弱いが、ベストとは程遠いコンディションで試合は始まった。
 先行は3塁側の文教大付。この春までは連合チームとして大会に出場していたが、4月に新入部員の1年生が3名加入した。これで部員数は9人となり、昨年の第100回選手権東東京大会以来の、単独チームでの出場となった。
 対するのは、後攻の朋優学院。この春はブロック予選を勝ち抜いて都大会本戦への出場を果たしたが、結果は1回戦で昭和一学園に8対7と競り負けた。夏は上位進出を目指しての戦いとなった。

 そんな両校の思惑の中で始まった第2試合だが、まず先制点を挙げたのは朋優学院だった。
 2回表、先頭の5番・西岡慎一郎がライトへの三塁打を放って出塁すると、続く6番・山崎駿がライトへタイムリーを放って西岡が三塁から生還。見事な速攻で朋優学院が先制点を挙げた。

 だが、追いかける展開となった文京大付もしぶとく食らいついていく。
 4回表に二死ながら一、二塁のチャンスを作ると、朋優学院に投内連携のミスが生じて二塁ランナーは一気にホームへ生還。1対1の同点に追いつき、試合は接戦の様相を見せる。

 それでも、この試合では朋優学院が一枚上手だった。同点に追いつかれた直後の4回裏、一死二塁から7番・三澤勇樹のタイムリースリーベースで勝ち越しに成功すると、続く8番・篠原拓未は遊ゴロを放ち、この間に三塁ランナーの三澤がホームへ戻り、さらに1点を追加する。
 この2点を挙げたことで、朋優学院は一気に試合の流れを掴み、そして文教大付の集中力を奪った。

 5回裏、朋優学院は2番・大久保吾叶夢が相手のミスで出塁したのを皮切りに、打者11人の猛攻を見せる。朋優学院の機動力を絡めた攻撃も見事であったが、文教大付が出した4つのエラーも朋優学院の勢いに拍車をかけ、この回だけで一挙8得点。これでコールドゲームが成立し、試合は11対1で朋優学院が勝利して3回戦進出を決めた。

 試合後、朋優学院の宮原正幸監督は、コンディションの悪い中でも集中力を切らさずプレーした選手たちを評価した。
 「初戦は不安があり、やはり怖いと思いました。4回もバタバタしましたが、選手たちは冷静にプレーできていたと思います。やっと春に公式戦で久しぶり勝てて、夏はここ2年間は初戦敗退していました。一つクリアできて良かったと思います」

 3回戦に駒を進めた朋優学院は、次は岩倉東洋の勝者と対戦する。次戦でも、この試合で見せたような集中力を発揮していきたい。

文=栗崎 祐太朗

2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会東東京大会
■開催期間:2019年7月7~7月27日(予定)
■組み合わせ表【2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会東東京大会】
■展望コラム【東東京大会展望!二松学舎大附の夏三連覇を阻むチームは現るか?東東京大会を徹底解剖!】
■一打者速報【朋優学院と文教大付の戦いをチェック!】

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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