麻布vs都立荒川工

　雨天が心配された[stadium]明治神宮第二球場[/stadium]だったが、何とか試合の開催に漕ぎつけることが出来た。

　[stadium]明治神宮第二球場[/stadium]の第1試合は、麻布と都立荒川工の対戦となった。共に秋、春とブロック予選で敗退しており、夏の逆襲を期す両校。試合は、序盤から痺れる投手戦となった。

　都立荒川工の先発は、背番号8を背負う桑代翔太。左スリークウォーターの軌道から緩急を使った攻めを見せ、序盤からテンポよくスコアボードに「0」を並べていく。
　対する麻布は、背番号1の松永貴裕を先発マウンドに送った。右オーバーハンドから角度のあるボールを投げ込む投手だが、一番の特徴は縦に割れるカーブだ。このカーブが効果的に決まり、都立荒川工打線は自らのバッティングをさせてもらえない。

　両投手の好投により、試合は4回まで0対0とがっぷり四つの展開となったが、均衡は意外な形で破れた。
　麻布は二死ながら一、二塁のチャンスを作ると、ここで都立荒川工の桑代が一塁へ牽制球を投げる。だがこの牽制球がまさかの悪送球となり、二塁ランナーの宇野は一気にホームまで生還。
　思ってもみない形で均衡は破れ、麻布が先制点を挙げた。

　追いかける展開となった都立荒川工だが、その後も麻布の先発・松永を捉えることが出来ずにもどかしい攻撃は続く。
　8回からは、ここまで粘投を続けてきた桑代に変えて、背番号1の伊舎堂綾太を投入するも、一死満塁の場面から6番・山村優太がレフト線を破る走者一掃のタイムリーツーベースを放って、これで点差は4点に。

　都立荒川工は、8回裏に1番・飯島生真のランニングホームランで1点を返すも、その後は追い上げ切ることが出来ずに試合は4対1でゲームセット。麻布は3回戦進出を決めた。

　先発の松永は、四死球を8つ与えながらも被安打は1に抑え、9回を投げ切り完投勝利を挙げた。試合後は、自らのピッチングに納得の表情を見せた。
　「今まででベストピッチでした。今日は調子が良くて、カーブが低めにしっかりと決まっていました。この調子をしっかり保ちたいと思います」

　また、貴重なタイムリーツーベースを放った山村も、打席での心境を振り返り、次戦に向けて気持ちを引き締めた。
　「狙い球は絞らずに、来た球を打とうと思っていました。上手くアジャストできたと思います。（次の試合については、）自分たち下級生は支える立場なので、次も先輩たちを支えていきたいと思います」

　麻布は、次戦は7月14に[stadium]江戸川区球場[/stadium]にて、安田学園と対戦する。3回戦の戦いにも注目だ。

文＝栗崎 祐太朗

2019年　第101回全国高等学校野球選手権大会東東京大会
■開催期間：2019年7月7～7月27日（予定）
■組み合わせ表【2019年　第101回全国高等学校野球選手権大会東東京大会】
■展望コラム【【東東京大会展望】二松学舎大附の夏三連覇を阻むチームは現るか？東東京大会を徹底解剖！】