東浦vs内海
東浦が、冬のメンタル強化の成果を示し攻守に好感触
東浦・伊加田光君
昨秋は県大会と並行するように行われていた全尾張大会では準優勝。県大会でも、3回戦へ進出してベスト16に残った。チームとしてはこうした結果が、確実に自信になっているようだ。中嶋勇喜監督が、「生徒たちが、本気で強豪私学に勝ちたいという気持ちが出てきたということは実感として感じています。その気持ちをより強く育てていくために、この冬は個々のモチベーションを上げていくことに重点を置いていた」と言うように、ワンランク質の高い練習を積んできた東浦。その成果は確実に出ているのではないだろうかと思わせる、東浦にとってはいい形の試合だった。
東浦は「この冬で、一番成長した選手」と、中嶋監督も評価している伊加田君が先発したが、先頭の松本君にいきなり右へ運ばれて三塁打。ピンチを迎えたが、冷静な投球でそこから3人をしっかりと押さえた。以降は、4イニングを松本君の安打のみに抑えて投げていきながらしっかりと自分のペースを確保していった投球内容だった。
そして、初回は連続四球後、3番深谷君の右前タイムリーで先制。
2回にも中根君、平林君のそれぞれのタイムリーで加点。3回には二死二三塁から2番戸嶋君が左中間三塁打するなどして3点を加える。さらに4回は5番平林君の右前タイムリー打と代打嶽本君の左中間三塁打などで5点を奪う。こうして、ことごとくチャンスをものにしていく形は、「チームとしてもきっちりと仕上げてきたなぁ」という印象を強く与えた。そして、昨秋の実績も、選手たちにも確実に自信となってきているような感じだった。
全部員で10人という厳しい布陣で戦った内海。
前任の刈谷から異動して4年目の山下博史監督は、「毎年定員割れを起こしているような学校なので、そうした中で、野球部を維持していくのは正直厳しいところもある」と言う。
それでも、ほぼ甲子園サイズのグラウンドが校舎に隣接してあり、練習環境としては悪いものではないはずだ。4月に入ってくる新入生にも期待しながら、知多半島の内海に高い師崎の出身でもある山下監督としては、大会には単独チームで出場し続けていかれる状況を維持していきたいというのは切なる思いでもある。
(文・写真=手束 仁)