試合レポート

常総学院vs水城

2018.09.27

常総学院が関東大会切符!7回コールドで水城に逆転勝ち!

常総学院vs水城 | 高校野球ドットコム
菊地竜雅(常総学院)

 県大会準決勝は関東大会を決める大一番は第1シードの常総学院と第4シードの水城のカードとなった。先攻・水城の先発は背番号1の右腕・櫻井隼人。櫻井はここまで3試合25イニングを投げて自責点1と抜群の安定感だ。後攻・常総学院は背番号10の右腕・菊地竜雅(1年)を先発に起用した。菊地竜は2回戦の日立一で3イニングを投げて被安打1、失点0。144キロをマークして自己最速を更新した。

 試合はまず水城が先制する。
 1回表、四球のランナーを置いて二死一塁とし、4番・櫻井がカウント3ボール1ストライクから右中間芝生席中段に届く特大ホームランを放って2点を先制する。

 先制された常総学院はその裏すぐに反撃する。
 2番・菊地壮太がショート内野安打で出塁し、盗塁で一死二塁から、3番・斉藤勇人のサードゴロの一塁送球の間に三塁に進塁。ここでファーストからサードへの送球が暴投となり1点を返す。

 2回裏、常総学院は二死から7番・大高優成がレフト前ヒットで一気に二塁まで到達するが、8番・菊地竜は見逃し三振に倒れる。

 3回表、水城は先頭の9番・小野瀬雄斗(1年)がセンター前ヒットで出塁し、犠打野選で一死一、二塁のチャンスを作るが、3番で高橋大河(1年)はショートゴロゲッツーに倒れる。

 4回表、水城は先頭の4番・櫻井がレフト前ヒットで出塁するが、送りバント失敗でチャンスを作れない。

 4回裏、常総学院が逆転に成功する。先頭の3番・斉藤がライトへのツーベースで出塁し、4番・菊田拡和のショート強襲ツーベースで同点とする。さらに5番・岡野優翔のライト前で無死一、三塁から、6番・鈴木琉晟のセーフティスクイズが野選となって逆転する。さらに送って一死二、三塁とし、8番代打・中山琉唯のレフト前2点タイムリーで5点目を挙げる。続く9番・手塚悠が左中間ツーベースで一死二、三塁とし、1番・中妻翔のセカンドゴロの間に6点目を挙げる。

 5回表、常総学院は2番手に背番号1の右腕・岡田幹太を投入する。

 6回表、水城は連続四球で一死一、二塁とするが、5番・千田大翔は空振り三振、6番・高野壱颯はショートゴロで追加点を奪えない。

 6回裏、常総学院が突き放す。
 一死から7番・大高がレフト線ツーベースで出塁し、8番で中山のライト前タイムリーで7点目を挙げる。さらに送って二死二塁から、1番・中妻のレフトへのツーベースで8点目。2番・菊地壮のライトオーバーツーベースで9点目を挙げ、その差を7点とする。



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今年の常総学院は走塁の意識が高い

 後がない水城は7回表、先頭の7番・渡邉夏樹が一二塁間にヒット性の当たりを放つが、この回からセカンドに就いた植村太一のダイビングキャッチに阻まれる。後続にも当たりがなく試合は7回コールドで終了する。

 常総学院水城を7回コールドで下し秋季関東大会出場権を獲得した。

 新チームの常総学院は次の塁を狙う「走塁の意識の高さ」が際立っている。この試合では2回に大高が単なるレフト前ヒットで迷うことなく二塁を落とし入れた。さらにランナー二塁でサードゴロを一塁に送球するやいなやスタートを切る約束事が徹底されており、1回に中妻が、3回戦の波崎柳川戦では4回に菊地壮がそれぞれ二塁ランナーとしてサードゴロで三塁を落とし入れた。打力にスポットが当たる常総学院だが、今後は走力にも要注目だ。

 打線は好投手・櫻井から6イニングで11安打を放った。3回まではなかなか捉えられなかったが、4回に中軸の連打で逆転すると、6回にも長打を絡めて突き放した。

 打順は1番に中妻、2番に菊地壮を据え、振れている岡野が5番に入った。

 調子が落ちて打順が9番に下がっていた手塚悠にもツーベースが出たことで固さがとれ、決勝では調子も上向きになるだろう。

 守備位置は3回戦までレフトを守っていた菊田拡和が準々決勝から2試合連続でサードに入った。夏の決勝では手痛いエラーがあったがやはり菊田にはサードが似合う。レフトでは守備範囲とスタートに違和感があった。もともと強肩であるしチャージも力強いので、心を落ち着かせて冷静なハンドリングさえできれば安定した守備ができるはずだ。

 投手陣は先発の菊地竜雅が1回に手痛い1発を浴びたが、その後の3イニングは最速143キロキロの力のあるボールと120キロ台のスライダー、110キロ台のチェンジアップを駆使してピンチを背負うことなく投げ切った。

 2番手の岡田幹太は3イニングを無安打無失点で切り抜けたが、連続を含む3個の四球を出し、その状況をみてすぐに背番号20の渡部が急ピッチで準備をしたほどだ。結果的には無失点だったが、球威はあるものの前回の波崎柳川戦と同様にボール球が多く、綱渡りのコントロールと言わざるを得ない。決勝では挽回したいところだ。

 水城は櫻井の2ランで勢いに乗ったかに思われたが、暴投や野選で失点し点差が大きく開いた。守備は常総学院の速い打球に内外野でファンブルが目立った。打線は櫻井が2安打で小野瀬が1安打の計3安打と沈黙り投げてはエース櫻井は打者一巡は無難に交わせたが、二巡目からはアジャストされて二桁安打を浴びた。130キロ台のキレのあるボールで中堅校はねじ伏せてきた櫻井のボールが常総学院には通用しなかった。常総学院を抑えるにはさらに球威を増すしかないと身をもって分かったはずだ。好投手・櫻井が次の常総学院戦までに一段も二段も上の投手となっていることを期待したい。

(文・写真=伊達 康

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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