高知商vs明徳義塾
高知商、王者・明徳義塾を完全粉砕で12年ぶり聖地到達!
9年連続20回目の夏甲子園出場へ王手をかけた第1シード・明徳義塾と、12年ぶり23回目の甲子園を期す第3シード・高知商との決勝戦。両者の決勝戦対決は明徳義塾は8連覇をスタートさせた2010年以来となる。
試合は球場全体がどよめく展開がグラウンド整備まで続く。まず2回裏・高知商は一死から5番・山崎 大智(2年・一塁手・179センチ75キロ・高知市立城西中出身)が明徳義塾先発・市川 悠太(3年・185センチ75キロ・右投右打・高知市立潮江中出身)の120キロカーブを右前に運ぶと、続く6番・近澤 孝祐(3年・中堅手・177センチ77キロ・高知市立愛宕中出身)が強烈に一塁線を破る二塁打で二・三塁。
そして7番・藤田 昂志郎(3年・二塁手・171センチ68キロ・右投右打・葛城ボーイズ<奈良>出身)は、市川の初球142キロを執念でとらえ、二塁手のグラブをかすめる先制2点打。さらに一死二塁から8番・北代 真二郎(3年・投手・180センチ88キロ・右投右打・香美市立鏡野中出身)も左前適時打で続き、高知商が3点を先制した。
高知商は4回裏にも一死一・二塁から9番・濵田 麟太郎(3年・165センチ62キロ・高知市立城北中)がこれも初球ストレートを右翼線へ痛烈に弾き返す適時二塁打。1番・前田 貴友(3年・右翼手・173センチ72キロ・右投左打・大阪旭リトルシニア<大阪>出身)も左前に弾き返し5点目。2番・西村 貫輔(1年・三塁手・165センチ65キロ・右投右打・南国ヤングマリナーズ出身)も右犠飛で続き、この回も3得点で6点目。
高知商6対0明徳義塾。5回が終わると信じがたい数字の前でグラウンド整備が行われた。
グラウンド整備時に明徳義塾・馬淵 史郎監督は高知商・北代を攻略すべく選手たちを車座にして話をするが、明徳義塾打線は後半も北代の82キロから135キロまでの緩急差、130キロ台のツーシーム系、110キロ台のチェンジアップにタイミングが合わず。逆に高知商は返す刀で市川に再び襲い掛かり6回裏一死一・三塁から1番・前田の二塁ゴロと2番・西村の右前適時打で8対0。準決勝までならコールド勝ちの安全圏にまでリードを広げ、7回裏にも二死一・三塁から明徳義塾三塁手の大暴投で2点を加え10対0と勝利を確定的なものとした。
高知商はその後も騒然とする観客に全く動じない安定した試合運びを展開。打線は市川から14安打10得点。北代は9回表二死から明徳義塾の意地に2点を失うも10安打5奪三振無四球2失点完投。守備も失策は8回表の1個のみ。明徳義塾を完全粉砕した高知商が12年ぶり28回目の大会優勝と、12年ぶり23回目の夏甲子園出場を決めた。
(レポート=寺下 友徳)