日大鶴ヶ丘vs創価

　創価と日大鶴ヶ丘は春季都大会で対戦し、その時は、５－３で創価が勝っている。菊地郁也、浪川広之、門脇誠、藤井隼ら1年生の夏から公式戦に出ているメンバーが揃う創価は、優勝候補。日大鶴ヶ丘には、最速が150キロを超える勝又温史がいる。この試合、日大鶴ヶ丘は勝又、創価は菊地と、投打の中心を担う2人が先発登板した。

　立ち上がり早々、日大鶴ヶ丘の勝又は、140キロ台の速球を続けて投げ込む。しかし1回表、創価の３番・桐越大樹は、144キロの速球をレフトフェンスに達する二塁打にする。さらに4番の浪川は、147キロの速球を打ち返すと、打球はセンターのスタンドに入る2ランとなった。

　このままズルズルと行かないのが、勝又の成長であろう。2回以降は130キロ台のカットボールなど、変化球を織り交ぜて、創価打線を抑える。4回表に安打2本と四球で二死満塁のピンチを招くが、ここ一番では150キロ近い速球で、創価に追加点を許さない。

　すると日大鶴ヶ丘は4回裏、4番。勝又の中前安打を皮切りに安打が3本続き一死満塁となり、7番・菅原穣一が四球で押し出し。1点を返す。

　日大鶴ヶ丘は6回表に勝又を右翼手にし、三浦拓真をマウンドに送る。三浦は4回を投げ、被安打1、四死球０という完璧な投球で、創価に得点を許さず、日大鶴ヶ丘に流れを持って来る。

　7回裏日大鶴ヶ丘は、四球の7番・菅原を8番・金野大夢が送り、9番、好リリーフをしている三浦が右前安打を放ち同点に追い付く。

　緊迫の試合は、思わぬ形で決勝点が入る。8回裏日大鶴ヶ丘は、3番・齋藤北斗、4番・勝又の連打に、5番・小林左京の犠打で一死二、三塁とし、6番・中島健輔は二ゴロ。三塁走者の齋藤が飛び出すと、1年生の夏から公式戦に出ており経験豊富な二塁手・藤井が挟殺にするべく、三本間目指し駆ける。三塁走者を三塁の方に追い込んだところで、藤井の三塁送球が暴投となり、齋藤が生還。日大鶴ヶ丘に貴重な決勝点が入った。

　9回表は三浦が創価打線を三者凡退に抑え、日大鶴ヶ丘が優勝した2014年以来、4年ぶりの準決勝進出を決めた。日大鶴ヶ丘は決勝進出をかけ、国士舘と対戦する。

　創価は、菊地、浪川、門脇、藤井の4人が1年生の時から注目されてきたが、高校で栄光を手にすることはできなかった。今後の活躍を期待したい。

文＝大島裕史

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