試合レポート

日大鶴ヶ丘vs明大中野八王子

2018.07.21

両チーム四死球41!死闘・乱戦 流れを変えた日大鶴ケ丘・勝又の存在

 

 9回で終わった試合にもかかわらず、試合時間は4時間4分。両チームの四死球は合わせて41。得点は19-15で日大鶴ヶ丘の勝利。高校野球の試合は数多く見ているが、滅多にお目にかかれない、乱戦であり、死闘であった。

 

 1回表日大鶴ヶ丘が安打4、四死球5で7点を先制した。通常なら、この時点でほぼ勝負ありだ。しかしその裏明大中野八王子は、安打は1本ながら四死球8で6点を入れる。

 

 日大鶴ヶ丘は3回表、2番・斎藤北斗、3番・三宅裕輝の連続二塁打などで5点を入れて突き放す。

 

 それでもめげないのが、明大中野八王子の気持ちの強さだ。4回裏明大中野八王子は安打1、四死球6で4点を入れると、5回裏には入船弘嗣の二塁打で同点に追いつき、8番・石川隼の左前適時打で逆転し、なおも追加点を挙げて15-12で明大中野八王子がリードする。

 

 明大中野八王子は3回途中からエースの進藤駿が登板し、試合を落ち着かせ、流れをつかんだかにみえた。

 

 ところが、日大鶴ヶ丘に流れを引き戻す選手が6回裏から登板する。プロ注目の勝又温史だ。勝又は、四死球は出すものの、力のある速球で、明大中野八王子打線をねじ伏せる。

 

 打っては8回表二死二、三塁から勝又が一塁を強襲する右前安打を放ち2人が生還。勝又は5番・中嶌健輔の中前安打で自ら同点のホームを踏んだ。

 

 明大中野八王子の進藤は、力投してきたが、猛暑の中、疲労の色は隠せない。9回表走者を2人出したところで進藤は笹川健太郎にマウンドを譲った。日大鶴ヶ丘は笹川から1番・中尾大樹が左前適時打を放ち同点。さらに2番・齋藤、3番・勝又と続けて三塁打を放ち19-15。猛暑の中、4時間を超える激戦は終わった。

 

 四死球41という数字は、とんでもなく多い。それでも四死球の数は投手だけでなく、審判との相性など、様々な要素が絡んでいる。日大鶴ヶ丘は気持ちを切り替えて準々決勝に臨んでほしい。

 

 敗れたとはいえ、明大中野八王子の奮闘も、第100回全国高校野球選手権西東京大会の名場面として語られることだろう。

 
 

文=大島裕史

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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