試合レポート

丸亀城西vs藤井学園寒川

2017.09.27

「タレント集団」丸亀城西、藤井学園寒川投手陣を崩す!

丸亀城西vs藤井学園寒川 | 高校野球ドットコム
2回裏丸亀城西二死一・三塁から1番・佐竹 琉星(2年・右翼手)が先制適時打を放つ

 まず、この試合で驚かされたのは敗れた藤井学園寒川の豊富な投手陣である。

 先発の髙橋 直季(2年・右投右打・176センチ61キロ・小松加賀リトルシニア<石川>出身)が右サイド気味から要所を締める内容で5回3分の2を投げて丸亀城西打線を2点に抑えれば、「股関節を痛めていて、これまでの試合登板は先週の練習試合2回だけだった」(佐竹 茂樹監督)2番手・山岡 龍弥(2年・右投右打・182センチ74キロ・大阪旭リトルシニア<大阪>出身)は最速138キロをマーク。

 さらにベンチには1年生の最速142キロ右腕・加茂 優太(右投右打・170センチ64キロ・大阪生野リトルシニア<大阪>出身)、ベンチ外には10月から公式戦登録可能となる広島広陵(広島)からの転校生・右スリークォーターから最速140キロ近くを投げる中山 稜也(2年・香川大教育学部附属高松中出身)もいる。彼らの中で誰が春に抜け出すのか?今後を楽しみにしたい。

 だからこそ、この試合では丸亀城西の「タレント集団」ぶりがいっそう引き立った。

 

 夏の香川大会準優勝だった旧チームからの中心である高校通算18本塁打の4番・水野 達稀(2年・遊撃手・右投左打・168センチ67キロ・丸亀市立南中出身)こそ5打数1安打に終わったが、「本来は旧チーム時代からレギュラーの実力があったが、昨年末からの腰痛で復帰が8月になった」(河本 浩二監督)1番の佐竹 琉星(2年・右翼手・左投左打・176センチ71キロ・丸亀市立東中出身)は、2回裏二死一・三塁からの先制適時打含む4打数2安打1打点の活躍。指揮官が内野手から転向後、初の公式戦ということで懸念していた3番・福田 直人(2年・右投右打・170センチ70キロ・宇多津町立宇多津中出身)も主将らしい強気のリードと強肩、打っても6回裏二死一・二塁からの中前適時打含む4打数3安打1打点で勝利を演出している。

 

 そしてこの日、「夏はこれまで上半身で投げていたものを下半身で投げるように心がけた」結果、初回に最速140キロを初めてマークした大前 輝明(2年・投手・右投右打・178センチ90キロ・丸亀市立西中出身)は10安打を浴びながらも2四球6奪三振に、けん制で2個アウトを奪うなど要所を締め136球完封。「みんなのために勝つ、チームのために活躍する」を早くも体現した。

 かくして2回戦で当たらせるにはあまりにもったいない好カードを超えた丸亀城西。甲子園は1997年夏から遠ざかっている彼らだが、1987年以来31年ぶり10回目のセンバツ出場へ向け、着々と準備は整いつつある。

(レポート=寺下 友徳

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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