大島vs加治木
投打で「流れを変える」仕事
6回途中から登板した本田（大島）
鹿児島大島20本、加治木14本、計34安打の打ち合いだったが、終わってみれば鹿児島大島のコールド勝ちだった。
中盤の集中打で7対3とリードした鹿児島大島が主導権を握ったかに思われたが、6回裏、加治木は一死から7連打を浴びせ、6点を奪って逆転した。
鹿児島大島は、直後の7回に9番・本田智揮（3年）、2番・濱田雄一郎（3年）のタイムリーと押し出しで再び勝ち越すと、8回は打者13人を送り、7安打に4四球が絡んで大量8点を奪った。投げては6回途中からリリーフした2番手・本田が8回一死二、三塁のピンチもしのぎ、2時間29分の打ち合いを制した。
鹿児島大島は2時間29分の乱打戦の末、辛うじてコールド勝ち。塗木哲哉監督は「総力戦だった。控えの選手たちが流れを変える良い仕事をしてくれた」と振り返った。
「スタメンの選手は試合を作るのが仕事、控えの選手の仕事は流れを変えること」。ベンチスタートだった本田は、塗木監督が常々言っていることを自分に言い聞かせて、いつ出ても仕事ができる準備をしていた。6回一死から6連打を浴びて、4点のリードを追いつかれたところで、リリーフの出番が回ってきた。
「緊張したけど、練習試合で打たれても味方が点を取ってくれていたので、味方を信じて投げた」。長打と内野ゴロで2点を勝ち越されたが、ここで相手の流れを断ち切った。7、8回の大量得点の場面では、7回に反撃の狼煙となるタイムリー、8回にダメ押しの2点タイムリー、2安打3打点と打撃でも活躍した。「打つ方は後ろにつなぐことだけしか考えていなかった」と苦笑していた。
（文＝政純一郎）
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