鹿児島実vs樟南
今年5度目の直接対決・鹿児島実対樟南
西畑先制2ラン(鹿児島実)
今年は鹿児島実と樟南の「伝統の一戦」をよく見た印象がある。5月のNHK旗決勝に始まり、このときは鹿児島実が1点差で競り勝った。7月に夏の甲子園をかけた頂上対決では延長15回で決着がつかず、史上初の再試合、1大会で2度対戦する「珍事」もあり、樟南が甲子園の切符を手にした。8月の鹿児島市内大会でも決勝で顔を合わせ、鹿児島実が勝利して新チームの好スタートを切った。対戦成績は鹿児島実の2勝1敗1分。今年最後の公式戦の準決勝で、5度目となる両雄の直接対決となった。
先手を取ったのは鹿児島実。3回、先頭の9番・岩下 丈が意表を突くセーフティーバントで出塁。捕逸で二塁に進む。一死二塁で2番・西畑 光瑛主将が初球をレフトスタンドに運んで2点を先制した。
2点を追いかける樟南は4回、一死一二塁で5番・高橋 黎がレフト前タイムリーを放ち、1点を返した。
中盤は互いにチャンスを作るも、鹿児島実・吉村 陸矩、樟南・松本 晴の両エースを中心に追加点を許さなかった。鹿児島実は4回以降7回まで毎回先頭打者がヒットで出塁するも、後続を打ち取られた。点が入りそうで入らない展開は、試合経験の少ない1年生同士とはいえ過去4度の対戦と同じく、伝統校同士の意地のぶつかり合いを見た気がした。
試合が大きく動いたのは8回だった。鹿児島実が先頭打者を打ち取られながらも、二死一三塁とチャンスを作り、3番・西 竜我がセンター前タイムリーを放ち、待望の追加点を挙げる。4番・吉村が右中間を深々と破る三塁打を放って2者を返し、途中出場の5番・永友 耀斗もショート強襲タイムリー内野安打で、中軸トリオの3連打で一挙4点を挙げ、勝敗を決定づけた。最後はエース吉村が樟南の代打攻勢にも動じず、7安打1失点の完投勝利で、今年5度目の直接対決は鹿児島実に軍配が上がった。
(文=政純一郎)
注目記事
・2016年秋季大会特設ページ