徳島北vs徳島科学技術
徳島北「豪華バッテリーリレー」で初四国大会へ王手!
徳島北先発・190センチ右腕の前田 大成(2年)
1回表から6回表まではツーシームも自在に操る最速139キロ右腕・前田 大成(2年・190センチ82キロ・右投左打・藍住町立藍住東中出身)と2塁送球2秒を切る強肩を持つ勢原 歩夢(1年・174センチ68キロ・右投右打・北島町立北島中出身)のバッテリー。7回表からは前田と同じく最速139キロ。「自分では前田に勝っていると思う」ストレートに、フォークも強みとする新田 大輔(2年・183センチ85キロ・右投右打・北島町立北島中出身)と安定したリードに定評がある田口 嘉一(2年・171センチ69キロ・右投左打・北島町立北島中出身)。
巨漢の4番・相原 宏紀(2年・一塁手・182センチ97キロ・右投左打・徳島市加茂名中)を中心にスイングの強い打者がそろう徳島科学技術に対し、徳島北は投手ばかりでなく、バッテリーごとの継投を仕掛けてきた。
その理由とは?脇町監督時代・現在は社会人・ホンダ鈴鹿で活躍する大型右腕・國岡 祐樹(愛知工業大卒)を指導した住吉 圭吾監督が語る。
「前田は新チームになってから四球を出さなくなったし、フォーシームでもツーシームでもストライクがとれる。そして試合の前半は盗塁を抑えたかったので勢原を使いました。新田はストレートがいいが、ワンバウンドもある。そこでワンバンドも止められる田口を起用しました」
この起用法は徳島北に大きな相乗効果をもたらした。「夏は走り込んできて、これまでうまくなげられなかったフォーシームを練習した。今日の試合ではランナーなしではフォーシーム。ランナーを背負った場面ではストライクを取れるツーシームを使った」先発の前田は勢原とのコンビについて「1回戦ではなかなか合わない場面もあったが、話し合った中で今日はサイン交換もうまくいった」。
結果、この試合で前田は7回100球で1四球10奪三振・失点1・自責点1。「ストライクゾーンに対し手を出そうとは言っていたが手を出せなかった」。台風16号の影響により吉野川河川敷グラウンドが流され、近隣高校の協力で練習を続けてきた徳島科学技術・福井 健太監督も脱帽の出来だった。
そして打撃にも思考を割けるようになった徳島北・勢原は2回裏二死三塁からの先制適時打含む3打数3安打。1番・小西 聖也(2年・三塁手・右投左打・163センチ61キロ・北島町立北島中出身)が6回裏一死満塁からの左越2点二塁打含む3打点をを上げたのも、勢原がつないだおかげである。
このように県立校としては豪華すぎる投手リレーで4校中3校が四国大会に進める準決勝へと駒を進めた徳島北。2009年に夏の甲子園出場を果たしている一方、まだ春・秋通じて四国大会出場がない徳島北の初快挙がもし実現すれば、四国屈指の右腕2枚と「バッテリーリレー」含め、大きな話題を集めることは間違いない。
(文=寺下友徳)
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