試合レポート

神村学園vs大島

2016.09.30

シード校の必死、引き出す・大島

神村学園vs大島 | 高校野球ドットコム

先発・猿楽 春樹(神村学園)

 大島は2回、6番・有馬壱成(2年)のライトオーバー三塁打、8番・盛山 諒(2年)のレフト前タイムリーで2点を先取する。

 3回まで無安打に抑えられていた神村学園だったが、4回一死から3連打を浴びせ、6番・前畑太壱(2年)のライトオーバー二塁打で同点に追いついた。

 大島は5回、4番・太月 幸(2年)のレフト前タイムリーで勝ち越すが、神村学園は6回、8番・猿楽 春樹(2年)のレフト前タイムリーで追いつく。

 9回、神村学園は一死から9番・後藤 拓真(2年)がセンターオーバーのランニングホームランで初めてリードを奪うが、その裏、大島は二死三塁で4番・太月がセンター前タイムリーで同点に追いつき、試合は延長戦へ。

 12回表、神村学園は5番・南川 翔哉(2年)のレフト前タイムリーで勝ち越す。その裏、大島は二死二塁として7番・吉見 圭太郎(2年)がセンター前ヒットを放つも、二走が本塁アウトで、3時間9分の死闘に決着がついた。

 大島は、シード神村学園を相手に先手を取り「相手の必死を引き出す」(塗木 哲哉監督)戦いができた。

 滞在中、相手の野球を研究し、満を持して挑んだ。2回、6番・有馬の先制三塁打は「初回が参考になった」と塗木監督。初回も同じ一死一塁で3番・濱田 雄一郎主将(2年)がヒットエンドランを仕掛けた。このときは内野ゴロで併殺だったが「けん制球を投げずに初球直球を投げたので次も行けると思った」通り、ヒットエンドランが決まった。

[page_break:塗木監督が太月に送った伝令とは?]
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太月 幸(大島)

 9回、表にランニングホームランで勝ち越され、万事休すと思われたが、その裏二死三塁と同点機を作る。4番・太月が1ボール2ストライクと追い込まれたところで塗木監督は伝令を送った。

「下を使って打て!」
 打ち気のあまり身体が突っ込んでいたので、下半身をしっかり使って打てという指示だ。指示通りの打撃で中前に弾き返し、土壇場で試合を振り出しに戻した。

 7回まではエース中村 誠斗(2年)、8回からは右腕・日高 相良(2年)、両投手陣は丁寧な投球を心掛け、同点に追いつかれた4回以外は、1イニングで1点以上取られない最少失点の守備もできた。「全員で守り、攻める」(濱田主将)持ち味を随所に出した手ごたえがあった。

 それだけに12回裏の本塁アウトが痛かった。二死二塁から7番・吉見がセンター前ヒット。二走・平遼介(2年)は三塁を回り本塁に行きかけてストップし、挟殺プレーで熱戦の幕切れとなった。「コーチャーが回しているのが見えて目を切った。回った後でストップの声が聞こえた。目を切るのが早すぎた」と平。上位の戦いになればなるほど、一瞬の判断ミスや迷いが勝敗を左右する。「みんながゲームを作ってくれたのに申し訳ない。同じミスをしないよう走塁練習をしっかりしていきたい」と雪辱を誓っていた。

(写真・文=政純一郎

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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