鹿児島工vs古仁屋
「高校野球らしくなってきた」古仁屋
4番・恵栄光(古仁屋)
古仁屋は初回、4番・恵栄光(1年)のレフトオーバー二塁打で先制する。
その裏、鹿児島工は二死三塁で4番・澤山幸詠(2年)のセンター前タイムリーを皮切りに、四球を挟んで5連続タイムリーで一挙6点を奪って試合をひっくり返した。
2回以降も着実に得点を重ね、5回裏、3番・益満光(2年)のライトオーバー二塁打で10点差となりコールド勝ちした。
シード鹿児島工に力の差を見せつけられた古仁屋だったが、竹山英輔監督は「攻めて、攻めて、攻めた結果。だんだん高校野球らしくなってきた」と選手の成長に手ごたえを感じた。
立ち上がり、1番・徳田竜希(1年)が初球をライト前ヒット。一死一三塁と絶好の先制機に「自分が打ってチームを勝たせたかった」4番・恵がレフトオーバー二塁打を放った。「毎朝バットを振った成果が出せた」と恵。授業前、部員全員で朝7時から毎日300本素振りをやってきて「自信を持っている」(竹山監督)打撃でシード校からも点が取れることを示した。
古仁屋アウト
3回には追加点のチャンスもあった。一死から1番・徳田、2番・宮之原岳(1年)が連打で出塁し、一三塁とする。一走・宮之原がディレード気味にスタートし、三走・徳田は本塁を狙ったが、間一髪の差でタッチアウトだった。
決まっていれば重盗という高度な技だが竹山監督は「実はサインミスです」と苦笑する。本当はヒット&ランだったが、打者が見逃した。チャンスを逸したが「徳田はあの走塁が決められるぐらい能力のある選手。責められないプレー」と臨機応変に対応したプレーをむしろ評価していた。
5年ぶりに秋1勝を挙げ、打力は他のチームに通用する手ごたえをつかんだ。目標に掲げる「ベスト16入りで全校応援」(竹山監督)にたどり着くには、投手力と守備力が課題であることも明確になった。
大会直前に急性胃腸炎で入院し、初戦に間に合わなかった長瀬大吾(2年)は、鹿児島工戦に出場できた。「入院中も野球のことだけ考えていた」長瀬は、約1週間ぶりにチームに合流して「いつもより笑顔でプレーできていた」ことに仲間の成長を感じていた。
(写真・文=政純一郎)
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