銚子商vs館山総合
銚子商のカギを握るU-15戦士・宮内竜志
宮内竜志(銚子商)
伝統校・銚子商。立ち上がり苦しい戦いを強いられたが、逆転に成功し、初戦突破を決めた。1回表、二死三塁のピンチを招き相手4番の黒川悠斗(2年)に中越え適時二塁打で1点を先制される。
館山総合の先発・相川亮太(1年)は想像以上の好投手であった。ノーワインドアップから始動し、内回りの旋回から繰り出すストレートは常時120キロ後半~132キロを計測しており、120キロ近いスライダーの切れも良く、簡単には打ち崩せない投手だと思ったが、1回裏、2番宮内竜志の振り逃げ、さらに牽制悪送球で何と三塁へ。さらにワイルドピッチで1対1の同点に追いつく。
その後もミスなどもあり、相川は1回裏に7人の打者に投げる。余計に球数を重ねたことが影響していたのか、2回裏、ストレートのキレ、コントロールが少し鈍くなっており、8番葛西秀成が右前安打で出塁すると、9番近藤晴哉(2年)の犠打でチャンスを広げると、さらにワイルドピッチで一死三塁のチャンスを作ると、1番加瀬 龍臣(2年)の左中間を破る適時二塁打で1点を追加するとさらに2番宮内が右横線安打で3対1と点差を広げる。
さらに4回裏にはこの回先頭の宮内が失策で出塁。さらに盗塁を記録し、内野ゴロの間に三塁へ進み、4番伊藤泰雅(2年)の犠飛で4対1に。この試合、振り返ると、2番宮内が起点となって、得点を重ねている。
宮内は中学時代、U-15代表としてKボールを使用する第8回 BFA U-15アジア選手権に出場。つまり侍ジャパンを背負っている選手なのである。
中学時代は169センチの小柄ながら強肩とパンチ力ある打撃で活躍を見せた選手だが、高校の舞台になると、長打というよりも、巧打で勝負する選手に。まだ筋力不足なところがあるが、当てるのは上手い選手。盗塁も仕掛けるように脚力は高く、まだクリーンナップに据えるほどの打撃力はないものの、プレー1つ1つに目敏さを感じる選手で、簡単にはアウトにならず、今日は5打数1安打1打点2得点3出塁1盗塁ときっちりと仕事を果たしており、まさに2番打者に置いておきたいと思わせる選手だ。
そして何より注目なのが強肩がウリの遊撃守備。派手な動きをするわけではないが、一歩目は速く、安定した動きを見せることができており、深い位置からでもダイレクト返球ができているのが良い。攻守で光るプレーを見せてくれた。
館山総合の相川はなかなかの投手であるものの、銚子商打線が甘い球を逃さずに打ち返し、そしてミスが絡んで追加点を取れたのが大きかった。館山総合は勿体ないミスが多かった。
銚子商は先発左腕・葛西が立ち直り1失点完投勝利。2回戦へ駒を進めた。まだ投打ともに課題は多いものの、1勝できたことは選手たちにとって自信になったことだろう。次は東海大市原望洋と対戦するが、優勝候補ともいっていい東海大市原望洋にどれだけ食い下がることができるかは。宮内竜志。この男がカギを握っているといえるだろう。
(文=河嶋 宗一)
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