都城vs聖心ウルスラ
今チームこそ古豪復活なるか。都城が上々発進!
先発の瀬戸口(都城)
新チームとなり、甲子園出場のチャンスは、残り2回。1年時から主力として活躍する都城の山本由伸-山本陽盛バッテリーがラストイヤーを迎える。
都城は、今年の夏(第97回全国高等学校野球選手権宮崎大会)準々決勝で、甲子園出場を果たした宮崎日大に1対0の惜敗。試合展開からしても、事実上の決勝戦と言っても過言ではないほど、紙一重の敗北だった。
同大会で山本由はMAX146キロ(SOKKENスタジアム表示)をマークするほど、県内最速右腕にまで成長した。
しかし、昨今のチームづくりにおいて、上に行けば行くほど、大エース1枚(=山本由)だけに頼るわけにはいかない。最低、投手2枚の整備は必須だ。
新チームとなり、順当に地区予選を勝ち上がってきた都城。本大会1回戦(vs聖心ウルスラ)で、今チームこそ、そんなチームへ進化するか?と感じさせられる戦いをみせた。
都城は、公式戦では1年生大会ぶりとなる左腕瀬戸口が先発し、4回を3安打、1三振、0封。二度の牽制死を奪うなど、要所を締めた打ち取るピッチングで傷口を広げない。一度も三塁を踏ませなかった。
エース山本由とは対照的に、ステップ幅が狭く、一癖ある独特のフォームが武器のサウスポー。リリースポイントが見える間がなく、制球よく投げ込まれる球は、打ち難さがある。
次に、都城は、5・6回に右腕の濵田が、丁寧かつ力強く投げ込み、打者7人に対して2安打、1三振、1併殺、0封。2塁すら踏ませない合格点の内容だった。
そして、サードを守っていた山本由が7回から登板。最終回に2失点したものの、セーフティーリードを守りきった。
瀬戸口と濵田、他投手を含め、エース山本由に追いつけ追い越せで、投手陣のチーム内競争が激化すれば、今チームこそ、もう一皮を破る都城になることが期待される。
都城は、初回に右中越三塁打で出塁した2番小野川が内野敵失から生還。4回には、6番重満の左越適時三塁打。7回には代打福田がライト線に運ぶ適時打。8回には二死一三塁でダブルスチールが成功。そつなく攻めた都城が準決勝に駒を進めた。
一方、聖心ウルスラ。
最終回に、都城エース山本由から、先頭の2番能勢が右中間越三塁打で出塁すると、3番是則の内野安打と5番請関のフェンス直撃となる右越適時二塁打で2点を返す粘りをみせたが、あと一歩及ばなかった。
秋季大会はノーシード発進となるが、毎年、夏までに着実に力をつける聖心ウルスラ。本格派右腕エース柳田を中心に、今チームもタレント揃い。敵を脅かし、県内上位を競い合う存在になりそうだ。
(文=三角竜之)
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