試合レポート

日大豊山vs修徳

2015.07.23

日大豊山・吉村が先制2ラン&勝ち越し適時打で4強に導く!

 1回戦から勝ち上がってきた同士の対決。お互い守備力も高く、打者のスイングを見ると、勝ち上がるごとに実力をつけてきたように感じる。

 先制したのは日大豊山。エースの吉村貢司郎(3年)が2ランホームランを放ち、2点を先制。最速144キロ右腕の吉村は、常時135キロ~143キロの速球を内外角に散らしながら、スライダー、カーブを投げ分け、3回まで3奪三振を奪う投球。準々決勝になっても、ストレートの球威、スピードは落ちておらず、しっかりと調整をしてきたようだ。

 4回裏、渕上聖司(2年)の三塁打から4番勅使河原快(3年)の二ゴロで1点を返すと、二死から6番平松魁斗(3年)の安打、7番宮本博文(1年)は敵失で出塁し、8番飯田奎太(3年)の左前適時打で修徳が同点に追いつく。

 ここまで修徳打線を振り返ると、3番渕上聖司が中々の好打者。スクエアスタンスでゆったりと構え、ボールを捉える形は非常に良く、ミートセンスの高さを感じさせる。そして7番宮本も、1年生とは思えないぐらい攻守のバランスが取れた好捕手。守っては確実なスローイングと、投手の持ち味を引き出すリード、打撃も、速球にふりまけないコンパクトな打撃ができていた。

 しかし日大豊山は3番山下陽(3年)の二塁打から一死三塁のチャンスを作り、5番吉村は勝ち越しの適時打を放ち、3対2と差を広げる。7回表、さらに二死二、三塁から7番大井 健次郎(3年)の適時打で4対2とする。

 吉村は9安打を打たれながらも、要所を締める投球。この日はカーブ、スライダーの割合を増やし、ストレートに狙い球を絞る修徳打線を凌ぐことができていた。そして9回裏になっても、ストレートは140キロ台を維持しており、田嶋 祐貴(3年)には127キロのカットボールで見逃し三振、9番松本大成(3年)はストレートを強打し、三遊間に転がる打球をショートの相川直輝(3年)が逆シングルで捕球し、見事なスローを見せ、好守備で二死にすると、そして1番浦野祥太(3年)は深めに守っていた二塁手・秋庭蓮(2年)の正面に転がるゴロとなり、試合終了。

 日大豊山がベスト4を決めた。春から見ているが、こんなにも粘り強い試合運びができるチームへ成長したことに驚きを隠せない。一戦ごと勝ち上がることに各選手の打撃、守備に成長が見られる。とても2週間前に見たチームとは思えないぐらい逞しさを感じる。

 エースとして引っ張る吉村も走者を出してからの粘り強さが出てきた。速球重視でいったり、変化球の割合を多くしたりと、投球面に余裕が感じられる。

2000年以来の甲子園へ勝利はあと2つだ。

(文=河嶋宗一


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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