興南vs糸満
決勝にふさわしい名勝負!接戦を制した興南が5年振り10度目の甲子園へ!
興南と糸満が夏の決勝で対峙するのは5年振り。そう、島袋 洋奨(福岡ソフトバンクホークス)を擁した興南が春夏連覇を達成した年であり、対する糸満・宮國 椋丞(巨人)が涙を飲んだ2010年以来となる。
その糸満は2回、二死から金城 旭貞が内野安打で出塁すると金城 乃亜が右前へタイムリー二塁打を放ち先制する。糸満は3回には相手の失策と野選で労せず一・二塁。犠打で送り一死二・三塁とするが、池間 誉人、大城 龍生と続くクリーンアップだったが、三振、レフトフライとここは興南・比屋根 雅也が抑えた。
序盤の流れを掴んだ糸満は5回にも、一死からトップの大城 翔太郎がセンターの頭上を襲う三塁打を放つなど、興南にプレッシャーを掛ける。ここで興南が守備タイム、糸満が攻撃タイムと、両ベンチともに作戦を授けた。果たして、その2球目に糸満がスクイズを敢行するも、それを読んだかの如く興南バッテリーに上手く外され三本塁間にて挟殺されてしまった。
ピンチの後にチャンスあり。すると興南はその裏、無死一・二塁として、勝負師、我喜屋監督が早くも動く。代打に二宮 尚寛を送ると、その二宮は積極的に初球を叩く。これがライト前へと転がり同点となるタイムリー。さらに、二・三塁として比屋根が狙い澄ましたかのように外角の球にバットを合わせ、レフトへの犠牲フライで逆転に成功した。
糸満は6回、一死から大城 龍生がセンター前へ運ぶ。その大城龍は俊足を生かして一気に二塁を陥れる糸満らしい好走塁を見せた。二死後、ワイルドピッチで三塁へ達すると勝負強い金城旭が同点となるタイムリー。続く金城乃も長打を放つが、ホームに突っ込んだ金城旭を、興南野手陣の中継プレーが阻止し逆転を許さない。すると興南は6回、一死二塁から喜納 朝規がレフト前へのタイムリーを放ち再び糸満を突き放した。そんな一進一退の攻防は、決勝戦に相応しい素晴らしいゲームだった。
興南は7回裏、一死二塁から比屋根がフルスイング。その打球は風をものともせずライトオーバーのタイムリー二塁打となった。ここで糸満は金城乃を諦め2年生の平安 常輝へスイッチ。平安は四球の走者を出したが見事後続を斬り、8回の興南の攻撃も抑えて味方の反撃を待ったが、7回以降立ち直った比屋根の前に走者を一人も出すことが出来ずゲームセット。
逆転勝利で、興南が5年振り10度目の甲子園出場(全国高校野球選手権”沖縄大会”は11度目の優勝)を決めた。
(文=當山 雅通)
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