堀越vs二松学舎大附
諦めない強い気持ちが生んだ勝利!二松学舎大附・大江竜聖粘投も、堀越が魂の逆転勝利!!
7月19日午前9時。抜けるような青空のもと、東東京大会4回戦、堀越対二松学舎大附が始まった。昨夏覇者で、この夏第2シードの二松学舎大附は3回戦から登場。雨で中断を何度か挟む難しい試合だったが、エース・大江 竜聖の好投もあり、大森学園を7対0の8回コールドで下している。
一方の堀越は2回戦では都立足立新田を8対1の7回コールド。3回戦では豊南に6対0と順調に勝ちを重ねている。
堀越・吉沢 勇気、二松学舎大附・岸田 康太の両先発で始まった試合は初回から動く。
二松学舎大附はあっさり二死となるが、3番・三口 英斗がバントヒットで出塁。4番・北本 一樹のレフトへの当たりで、三塁コーチに入っている山田 拓海は三口に本塁突入を指示。三口は迷うことなく加速を続け三塁を蹴り、本塁へヘッドスライディング。ギリギリのタイミングだったが手がしっかりと先にベースに触れ、二松学舎大附が1点を先制する。
その裏、堀越は2番・井宮 丈友樹、3番・奈良原 稔也が連打で出塁し一死一、二塁。4番・髙野 士文もヒットで続き、井宮が還り同点に。さらにワイルドピッチで一死二、三塁のチャンスを作るが、ここは二松学舎大附先発・岸田に後続を二者連続三振と抑えられ、追加点を挙げることができない。
3回には二松学舎大附は四球で出た三口が牽制が逸れる間に三塁へ。これを4番・北本が今度はバントヒットで還し、1点を追加。試合の流れがどちらともつかない中、しっかりとチャンスをものにしていく。
その裏、一死から堀越3番・奈良原にセンターオーバーのツーベースを打たれたところで、二松学舎大附は岸田から大江にスイッチ。大江は後続を連続三振に取り、ゲームを落ち着かせる。
5回表、先頭の3番・三口がこの回から代わった堀越・渕上 佳輝の立ち上がりをとらえ、右中間を破るスリーベースを放ち出塁。すかさず4番・北本がライトへ弾き返し1点を追加。さらに6回には今度は二死二塁から三口が左中間へタイムリーツーベースを放ちもう1点追加。4対1とジワリと差を広げる。
その裏、堀越は一死から5番・大澤 侑祐がツーベースで出塁。二死となった後、7番・木村 拓人のセンターへのヒットで大澤は3塁を蹴って本塁へ。この回から守備についた二松学舎大附センター・平野 智也からストライクの送球が返るも、大澤はブロックをかいくぐり間一髪セーフに。2点差に詰め寄る。
こうなってくると、堀越スタンドは大声援の押せ押せムード。7回には先頭の9番・藤田 翔大が内野安打で出塁。その後二死二塁から3番・奈良原のセンター前へ抜けようかという当たりをショートがなんとか追いつくが、一塁への送球が逸れる。その間に藤田が生還。1点差とする。騒然とする神宮球場。堀越ムードが一層強まっていく。だが大江にも意地がある。続く4番・髙野を三振にとり、力強く叫ぶ。
しかし、堀越に傾いた流れは止まってはいなかった。8回裏、ヒットで出塁の佐藤 洸貴を二塁に置き、二死二塁。8番・渕上が放ったのは、ファーストへのゴロ。万事休すかと思われたが、ファースト手前でバウンドが変わりエラーに。佐藤洸が本塁に還り、堀越がついに同点に追いつく。
さらに9回、球場が異様な雰囲気に包まれる中、堀越は大江を攻めたて、1本のヒットと四死球で二死満塁を作り出す。バッターボックスには、先ほど同点のホームを踏んだ、6番・佐藤洸。佐藤洸のバットから打球が放たれた瞬間、ざわつく球場が一瞬静まる。打球は高いバウンドで大江を越え、二塁の前へ。二松学舎大附ショート・島根 寛人が素手でつかみ必死で一塁へ送球するが、佐藤洸は余裕のセーフ。三塁から井宮が還り、堀越が5対4と逆転勝利をおさめ、5回戦進出をつかんだ。
(文=青木有実子)
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