成立学園vs順天
雨の中の激闘!1点差の9回裏二死三塁、試合の結末は…
2試合目の終盤から降り始めた雨は勢いを増す。そんな中で始まった[stadium]神宮球場[/stadium]での第3試合は、成立学園vs順天の戦い。
観客の多くが屋根のある2階席に移動する中、両校の応援団は雨の中でも変わらず大きな声援を送っている姿が印象的である。
応援団の声援に応えるべく、先手を取ったのは順天。
初回に、1番・岡村 和哉が四球で出塁すると、2番・菊川 涼太が犠打で送り、3番・三浦 悠之介が右前へ打球を運び、これが先制の適時打となる。続く4番・岡﨑 元哉が中前安打、5番・安井 大貴の左前安打でチャンスを広げると6番・鈴木 諒の打球が一塁手を強襲し、打球を処理する間にもう1点追加。その後、二死満塁の場面を迎えるも、成立学園先発の二見 尚輝が8番・花澤 聖を三振に抑え、これ以上の失点は許さなかった。
しかし、ここで成立学園は黙っていなかった。
雨と失点が重なり、重い雰囲気が漂う応援スタンドを一気に明るくしたのは、直後の2回表の4番・藤谷 耕平の一振りであった。藤谷の放った打球は本塁打となり一気に応援スタンドが盛り上がる。藤谷は17日に行われた立教池袋戦(3回戦)でも2本の本塁打を放っており、非常に当たっている。
この1打から成立学園の反撃が始まった。8番・萩原 豪の右前安打で1点、1番・伊藤 航の右中間を破る3塁打で2点をさらに加え、すぐに試合をひっくり返す。
しかし順天も諦めない。3回に7番・星 あゆむの左前安打で1点。4回に4番・岡﨑の中前安打で1点を返し、すぐさま試合を振り出しに戻す。
非常に力が拮抗する試合を動かしたのは7回表の成立学園の攻撃。二死から、1番の伊藤 航が自慢の快速を飛ばし本日2本目の3塁打でチャンスを作ると、2番・山田 茂人の渾身のヘッドスライディングが内野安打となり1点。9回にも相手のエラーから1点を追加し、勝負あったかに思えた。
しかし、そう容易く試合は終わらない。
9回裏の順天の攻撃は、先頭の4番・岡﨑が本日4本目の安打で出塁。一塁までガッツポーズをしながら駆け抜ける姿に闘志を感じた。5番・安井も中前安打で続き、無死一、三塁の場面で成立学園のバッテリーにミスが出て1点を返す。ここで二死三塁と一打逆転の場面で打席に立ったのは8番・花澤。しかし昨夏4強の成立学園が底力を見せ、花澤を見逃し三振に斬り、雨の中の激闘に終止符を打った。
この試合を振り返ると、成立学園と順天との力の差はさほど感じなかった。勝敗を分けた成立学園の勝利のポイントとなったのは、試合の流れを変えた4番・藤谷の一打や快速の1番・伊藤 航の存在、そして7回の山田 茂人のヘッドスライディングでの内野安打であった。ノーシードから挑む昨夏ベスト4の成立学園が5回戦に駒を進めることとなった。
(文=佐藤友美)
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