成城vs都立八丈
成城・伊藤、被安打2、奪三振14で完封
部員16人の成城と11人の都立八丈。少人数で活動を続けてきた両校の対戦は、テンポのいい、引き締まった試合になった。
成城の先発、身長182センチの右腕・伊藤 開生は、キレのいいストレートに、チェンジアップなどで緩急をつけて、都立八丈打線を翻弄する。都立八丈の先発は左腕のエース・高橋 大幹。球にスピードはないものの、変化球を駆使して試合を作る。内野手は通常でも前進守備。肩の強さなどを勘案したシフトだろうが、強い打球を受けるリスクをともなう。実際そうした打球もあったが、主将で三塁手の高橋 隆彰をはじめとする都立八丈内野陣は、打球を体で止めて対応する。
0対0の均衡が破れたのは、5回裏の成城の攻撃。この回先頭の6番鳥山 正太郎が四球で出塁すると、犠打と8番松前 光の中前安打で三塁に進む。二死後、1番守屋 日南斗の一、二塁間のゴロを二塁手が取り損ない、成城は1点を先取した。
6回裏は2本の安打と四球で一死満塁の場面で、7番小野澤 正人はレフトにフライ性の打球を打つ。これが左翼手の前にポトリと落ちる。その間に三塁走者は生還し2点目を入れたものの、二塁走者はスタートが遅れ三塁でアウト。記録上はレフトゴロでの得点という、珍しいケースであった。
一方都立八丈打線は、成城・伊藤に全くタイミングが合わない。結局伊藤の奪三振は14、被安打は2本であるが、そのうちの1本は、一塁走者に当たったことによる、記録上の安打で、安打らしい安打は、1本だけだった。
都立八丈にとっては、0対2というスコア以上の完敗であったが、体を張った積極的な守備で、善戦に持ち込んだ健闘は称えられる。都立八丈イレブンの戦いぶりは、猛暑の[stadium]都営駒沢球場[/stadium]に、さわやかな風を起こした、しかし、2人の3年生が抜けると、部員は9人ギリギリになる。まずはケガ人を出すことなく、活動を続けてほしい。
一方成城は、伊藤が好投したものの、打線は4番の星野 史明が3安打を記録したとはいえ、全体で安打6本。勝ち上がるためには、打線の奮起が求められる。
(文=大島裕史)
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