香川西vs石田
丸亀開幕戦、石田の健闘退けた香川西の韋駄天右翼手
5打数4安打3打点の2番・西井(香川西)
3月3日(火)プロ野球オープン戦・阪神タイガース対福岡ソフトバンクホークス戦でこけら落としを迎えて以来、高校・大学・社会人・四国アイランドリーグplusのオープン戦などでフル稼働中の[stadium]四国コカ・コーラボトリングスタジアム丸亀[/stadium]。3月24日にはセンバツ初戦を迎える英明戦のパブリックビューイング開催も決まるなど、早くも香川県スポーツ文化の中核施設として機能している。今年の春季香川県大会開会式及び開幕戦は、そんな新スタジアムで行われた。
試合は選手9人ながら「目の届く人数なので、成長しているのが手に取るように判る」と黒坂 李央監督が目を細める石田の健闘が光る展開となった。3回表には二死満塁から4番・多田 悠馬(中堅手・3年・右投右打・175センチ69キロ・さぬき市立大川第一中出身)が最速134キロをマークした香川西先発・吉岡 亮佑(3年・右投右打・182センチ75キロ・オール平野<大阪府・軟式>出身)のストレートを見事に弾き返し中前先制2点適時打。守備もノーエラーでしのぐなど内容のある敗戦であった。
このように一歩間違えれば昨秋に続く初戦敗退もありえた香川西を救ったのは、昨秋以降急成長を遂げた韋駄天右翼手・西井 一貴(3年・右投左打・168センチ61キロ・交野シニア<大阪府>出身)である。
昨秋は16番で控えに甘んじていたが、けが人続出などの要因が重なりこの試合では先発に抜擢。「脚を絡めた攻撃をしたい」広澤 大成監督の狙いを初回の安打と盗塁、5回裏の勝ち越しにつながるバント安打。さらに6回裏には二死二塁から試合を決める右翼線三塁打。「強いスイングをすることを心がけてきた」冬の成果を一発回答で体現した。
終わってみれば4打数4安打3打点も「4安打はタマタマです」とあくまで謙虚な西井。4年前のセンバツ出場、春季四国大会王者の栄光を取り戻しにいく香川西にあって、彼のような新星の台頭は不可欠である。
(文=寺下 友徳)