木更津総合vs松戸国際
早川隆久、今大会二度目の完封勝利で、木更津総合が優勝!
好投を見せる早川隆久(木更津総合)
決勝はエース植谷翔磨の粘投と粘り強い試合運びで勝ち上がった松戸国際と5試合中3試合は完封勝ちとハイレベルな投手力で勝ち上がってきた木更津総合の対戦。
この試合、どちらが試合の主導権を先に握るかがポイントであったが、試合の主導権を握ったのは木更津総合だった。
2回裏、木更津総合は無死から敵失、バッテリーミスで無死三塁のチャンスを作り、6番礒貝 友也(2年)の中越え適時三塁打で、先制。さらに7番佐々木 駿(1年)の犠飛で2対0とする。
さらに3回裏、無死から2番石井 伶(2年)が四球で出塁すると、3番小原 直起(2年)の安打で無死一、三塁のチャンスを作ると、4番檜村 篤史(2年)の中前適時打で3対0と1点を追加すると、なおも無死一、三塁で5番小池 航貴(2年)の犠飛で4対0。
投げては先発の早川 隆久(1年)が好投。早川は大崩れをせず、淡々と試合を作れるのが強み。左から常時130キロ~133キロのストレートと、スライダーは低めに投げ分けることが出来る。そして外角の制球力も安定している。秋は投手優位の季節だ。この時期で、左で常時130キロ前半を投げられる投手はそうはいない。まだボールの強度と言う面では物足りなさはあるが、1年生左腕としては高いレベルである。
優勝を決め、校歌を歌う木更津総合ナイン
早川を見ていると、2008年に木更津総合が甲子園出場した時のエース・田中 優(明大-京葉ガス)という左腕を思いだす。その田中と比べると安定感は上で、どちらかというと球威で勝負していた田中と比べ、早川はコンビネーション、コントロールで勝負するタイプへ成長する可能性を感じた。
そして早川は松戸国際打線を7安打に抑え、完封勝利。今大会二度目の完封勝利で、木更津総合が優勝を決めた。
今年は例年の打撃ではなく、投手力で勝負。安定感のある右サイド・鈴木 健矢と早川の2人の活躍がとても大きかった。またこの試合は無失策。守備でも投手陣を盛り立て、勝つ野球が出来ている。6試合のうち、無失点試合は4試合。まさに安定感ある試合運びで、千葉を制した。
今年の関東大会は千葉県開催で、2回戦からのスーパーシードで迎える木更津総合。
残り3週間ほどの準備期間で、さらに投打のレベルを引き上げ、ぜひ千葉県勢としては5年ぶりのセンバツ出場を掴む活躍を見せられるか注目をしていきたい。
(文=河嶋宗一)