塩釜vs仙台商
塩釜が34年ぶりのベスト8
前日、宮城大会では第1シードの仙台育英が敗れた。仙台育英の4回戦敗退は2002年以来、12年ぶり。第1シードが姿を消した宮城大会はこの後、どんな展開になるのか、興味は高まる。
この日は2会場で4回戦4試合が行われた。この日でベスト8が出そろう。
[stadium]楽天Koboスタジアム宮城[/stadium]での1試合目は仙台商対塩釜。
1塁側の仙台商はこの春、地区予選で2敗し、公式戦で1勝もできないまま夏を迎えた。一方の塩釜はこの春、29大会ぶりの県大会を戦い、延長戦を制したり、逆転勝ちしたり、ベスト4まで駆け上がったチームだ。ユニホームの校名やアンダーシャツが赤い仙台商、ユニホームが水色の塩釜。
見た目も春の成績も異なる両者が4回戦で顔を合わせた。
塩釜の先発は背番号10の梅津栄朗。初回を3人で抑え、チームにリズムを作った。
仙台商の先発は背番号7の遠藤怜央。塩釜は1番・小野山洸人がヒットを放って出塁すると、2番・相沢友彦が犠打を決めて1死2塁。3番・清野政尭はサードファウルフライに倒れたが、4番・千葉文月が四球を選ぶと、5番・阿部裕太朗の打球は高く上がり、ショート後方、レフトの前にポトリ。2人がホームインし、塩釜は2点を先制した。
塩釜のペースかと思われたが、2回表、仙台商がすかさず反撃を見せる。4番・小泉明輝がライト前ヒットで出塁。5番・天野佑吏は高めに手を出し空振り三振となったが、6番・小野寺泉葵がセンター前ヒットを放つ。1死1、2塁で7番・村田悠輔が犠打を転がし、2死2、3塁とすると、左打ちの8番・遠藤が逆らわずにレフトへタイムリー。さらに9番・菅原健太もレフトへ流し打って同点に追いついた。なおも2死1、2塁。ここで塩釜は先発・梅津からライトを守っていた背番号1の宮井大治に交代。宮井は1番・村上諒をセカンドゴロに打ち取って難を逃れた。
2対2の同点から試合が動いたのは5回。表の仙台商の攻撃は2死満塁となったが、このピンチを凌いだ塩釜が裏の攻撃で粘りを見せた。
この回の先頭は、投手交代に伴いライトを守った水間幹也。センター前ヒットを放った。先頭が出た塩釜だったが、1番・小野山のバントは球の勢いを殺せず、強い打球はサード正面。二塁に放られ、進塁させられなかった。さらに2番・相沢はレフトフライ。2死2塁となったが、3番・清野がセンター前に弾き返し、1、2塁とし、4番・千葉がレフトへ勝ち越し打。さらに5番・阿部もレフトへタイムリーを放った。2死からの3連打で2点を奪った塩釜が、4対2で勝利し、34年ぶりの8強入りを果たした。
(文=高橋昌江)