東温vs松山西
確立の域に達しつつある「東温スタイル」
東温先発・渡辺翔吾(2年)
スコアだけ見れば夏の愛媛大会ベスト8に導いた左腕・渡辺 翔吾と日髙 潤基の2年生バッテリーを擁する東温が、夏初戦で7対0と勝利している松山西に実力差を見せ付けた試合である。ただ、それほどまでに実力に違いがあるかといえば、さにあらず。松山西の1年生先発右腕・竹田 朋生は177センチ62キロと均整の取れた身体から伸びのあるストレートを投じていたし、個々の体格はむしろ松山西が優っている。
では、勝敗を分けたものとは?その答えは東温・和田健太郎監督が持っている。
「渡辺は四球を出さないですから」
確かにこの試合でも与えた四球は1。173センチ63キロながら体幹を固め淡々と低めに集める精密機械ぶりは、13四死球を与えてしまった松山西投手陣とは対照的であった。
以前学校訪問でも取り上げた(野球部訪問 県立東温高等学校(愛媛))積極的な走塁・盗塁ももちろん健在。松山西戦でも4盗塁。3三塁打、そしてランニングアーチを放ったのは投手の渡辺であった。
こうして和田監督就任から3年目に入り、確立の域に達しつつある「東温スタイル」。県大会で東温と対戦するチームは戦々恐々として初戦を待つことになりそうだ。
(文=寺下友徳)