試合レポート

木更津総合vs専大松戸

2013.07.26

木更津総合が延長13回の死闘を制し、2年連続決勝進出!

 初出場を目指す専大松戸と2年連続甲子園出場を目指す木更津総合との一戦。チームカラーは似ている。お互い打撃が良く、複数の投手陣を使う。木更津総合は5試合で38得点で投手は3人が登板。専大松戸は5試合で32得点で投手は4人登板。だが今日は複数の投手陣を使わず、両チームの首脳陣が最も信頼出来る投手が一人で投げぬく熱戦になった。

 専大松戸の先発は高橋 礼(3年)。185センチ75キロの右下手投げである。昨年から見ている投手だが、大きく成長を見せている。右下手から投げ込む速球は125キロ前後(最速128キロ)とそれほど速くない。だが下手投げの軌道は独特なもので、この球速帯でも十分。回転のよい直球で木更津総合打線が苦しんでいる。さらに高橋の武器は100キロ台のカーブ、90キロ台のチェンジアップ。ストレートとあまり変わらないフォームから投げるので、打者はタイミングが合わない。100キロのボールを使ったところで、それよりも20キロ速いストレートを投げる。通常の120キロよりも速く見える。緩急を使った投球が実に見事だった。現在では150キロを出す高校生が珍しくない時代になってきているが、このように遅い球で勝負出来る高橋の投球は玄人好みのものがある。

 木更津総合の先発・千葉 貴央(2年)は130キロ前半のストレート、スライダー、カーブ、チェンジアップを織り交ぜながら専大松戸打線を抑えていた。

 試合が動いたのは4回表。専大松戸は5番石川 将也(3年)が左前安打、6番田邉 忠俊(3年)が犠打、7番河村 将治(3年)の一ゴロで二死三塁として、8番高橋の三ゴロを三塁手が失策。三塁走者が生還し、1点を先制。

だが4回裏、木更津総合は二死から6番東 龍弥(3年)が四球で出塁、7番秋庭 豪太(3年)が左前安打、二死一、二塁となって8番檜村 篤史(1年)が左中間を破る長打を放ち、二者生還し、2対1で逆転。檜村は5回戦の流通経済大柏戦で走者一掃の一打を見せているが、実に勝負強い。その勝負強さが1年生から起用されているのだろう。

 試合は終盤までいよいよ9回表。2年連続の決勝進出まであとアウト3つに迫った木更津総合。だがここから専大松戸が意地を見せる。試合は延長戦へ。6番田邊が中前安打。ここで代走・阿部 拓磨(3年)を送る。7番河村将は四球、8番高橋は三塁手の失策で無死満塁のチャンスを作る。9番丸山 凌河(3年)の遊ゴロで三塁走者がアウトで、一死満塁。1番稲葉 魁(2年)が1ストライクを取られたところで、専大松戸は代打を送る。藁谷 遵人(2年)が打席に入る。藁谷は中前安打を放ち、2対2の同点に追いつくのだ。しかし後続が続かず同点止まり。9回裏、木更津総合も無得点に終わり、試合は延長戦へ。


 なかなかチャンスをモノにできない両チーム。興味深かったのは延長で投手に打席が回ったところで代打を贈らなかったことである。

 延長10回表、専大松戸は二死三塁の場面で、高橋に回ったが、代打を送らずそのまま打席に入る。高橋は三振に倒れ、勝ち越しならず。その裏、木更津総合も二死満塁で9番千葉に打席が回る。先攻の専大松戸は代打を出しにくいが、後攻の木更津総合は1点入ればサヨナラなので、代打を投入してサヨナラを狙う戦術もありだ。しかし、得点が出来ず次の回は投手交代をしなければならないリスクもある。そうなると流れが変わりやすいので、投手を変えたくなかった思いもあるかもしれない。勝負は、専大松戸の高橋が勝利。千葉は三振に倒れ、試合は続行。

 さらに延長12回裏、木更津総合は一死から6番東が右中間を破る三塁打を放ち、サヨナラのチャンスを作る。ここで専大松戸は満塁策を選択。木更津総合はスクイズを仕掛けたが、専大松戸バッテリーが見破っており、ウエストで空振り。この回もまた無得点に終わる。なかなか決まらない。

 延長13回裏、一死から2番湯浅 佳希(3年)が右中間を破る三塁打を放ち、再びチャンスをつくる。専大松戸は満塁策を選択し、5番渡邉 康正(2年)。ここまで力投の高橋は制球が定まらず、押し出し四球でサヨナラ。木更津総合が2年連続の決勝進出を決めた。木更津総合は得点した4回以降、なかなか決定打が出なかったが、苦しみながらも2年連続の決勝進出。今年はBシードからスタートし、しっかりと勝ち上がってきた底力は素晴らしい。やはり甲子園を知っているチームはしっかりと勝ち上がれることを証明した。

 木更津総合が2年連続出場となれば、千葉県で15年ぶり(1996年~1998年に3年連続出場した市立船橋)の快挙となる。その快挙を成し遂げられるかぜひ注目したい。

(文:河嶋 宗一)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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