松山聖陵vs新居浜東
新居浜東、健闘及ばず67年ぶりベスト4逃す
北宇和を延長11回の末破ると、同じ東予地区の強豪・三島、小松も連破し、11年ぶりにベスト8へと駒を進めた新居浜東。旧制・新居浜中時代に愛媛大会初出場した1946(昭和21年)年以来、実に67年ぶり2度目となるベスト4へ向け、第2シード・松山聖陵相手にも彼らは自分たちの力を出し尽くした。
出色だったのは最速143キロ・四国屈指の好右腕である嘉陽宗一郎から計13安打を放った打撃力。決して大振りせず、内野手の頭・間を確実に破るコンパクトなスイングは相手守備の乱れも誘発させることに。9得点は大いに誇ってよい。
それだけに悔やまれるのは7対3とした後、6回裏・7回裏の連続5失点である。4回途中から加納拓也(3年)をリリーフした鴻上尚豊(3年)の疲労を見逃さなかった松山聖陵打線の反発力は見事とはいえ、悪い流れを止め切れる術を打ち切れなかったことは「経験不足」の一語で片付けるには、あまりにも残酷な2イニングとなってしまった。
かくして一時は手の中にあった快挙を逃した新居浜東であるが、今大会を最も盛り上げたチームであることは、誰もが認めるところ。この夏に得た喜びと悔しさを、次の世代に引き継ぎ、今度は壁を越えることを切に願いたい。
(文=寺下友徳)