糸満vs小禄
神谷大雅(糸満)
神谷大雅と新垣僚麻の5安打を含む12安打の猛攻で糸満が決勝進出!
注目は、準々決勝の勝利の中心にもいた糸満の斬り込み隊長・神谷大雅とエースで4番を務める新垣僚麻を、小禄のエース左腕島袋洋平がどう抑えるかの1点。だがこの日の島袋洋平に少し見られた”力み”が、予想外の大差を生む結果となってしまった。
初回、糸満は神谷大雅が大きな三塁打を放つと、一死後3番のサードゴロの間にホームを駆け抜けマウンドの島袋洋平へいきなりの洗礼を浴びせた。対する小禄も2回にニ死一・二塁、3回にもニ死二・三塁とするがあと1本が出ない。
4回の糸満はエラーで出塁した走者を二塁に置いて、4番新垣僚麻が左中間突破のタイムリー二塁打で2点目を挙げると、6回にも一死二塁から5番砂川聖がセンター前にタイムリーを放つと、ニ死二塁と変わって7番金城健介にもレフト前の連続タイムリーが飛び出し小禄を飲み込んでいった。
小禄のエース島袋洋平は、この試合の前までに14イニングを投げて失点僅かに1で防御率0.64と抜群の安定感だったが、初回の神谷大雅の先制パンチが効いていたのか、その後も力みが見られるピッチングで球が上ずり糸満打線を止められない。彼の長所であるコーナーを丹念に着くことと冷静さを保つことが、この日は最後まで取り戻せなかった。
糸満は最終回にも神谷大雅にタイムリー二塁打が出るなど3点を加えて試合を決めた。終わってみれば神谷大雅と新垣僚麻の二人で5安打を集め、初回の先制、4回の追加点に最後のダメ押しなど効果的な場面で打点を挙げてはナインを引っ張り続けた。
島袋洋平(小禄)
敗れた小禄だが、前日まで熱発していて先発を外れていた、本来ならば3番を務める比嘉亮貴が7回に代打で登場し意地の内野安打で出塁すれば、その直前の糸満の攻撃で右中間へ飛んだ打球に対し、恐れずに飛び込みダイレクトジャンピングキャッチを魅せて、二塁を回っていた一塁走者を刺し併殺したライトの日高雄大など随所に良いプレーが出ていたし、糸満の41人に対し、僅か14人しかいないベンチから必死で仲間を鼓舞し続けるなど、誰一人手を抜かず最後までやり抜いてくれた。
2009年以来3年振り4度目の決勝進出を決めた糸満は、来年の3月で定年退職が決まっている金城勉先生に勇退の道を贈ろうと監督として登録。たかが1年生大会とは思わずに全力で優勝を狙おうと、主役の1年生はもちろん上級生も含めて全てが先生を胴上げするために一致団結。決勝を前にこれまでで1番良い試合を見せてくれた。
この土日の結果決勝戦は美里工と糸満となった。春夏秋の主要大会と新人大会を含め初めての優勝旗を狙う美里工の想いが勝つか、金城勉先生への花道を贈りたい糸満の想いが勝るか。果たして勝者は!?
(文=當山雅通)
糸満 | TEAM | 小禄 | ||
守備位置 | 氏名 | 打順 | 守備位置 | 氏名 |
遊撃 | 神谷大雅 | 1番 | 中堅 | 金城光紀 |
右翼 | 照屋弘也 | 2番 | 二塁 | 嘉数大輝 |
左翼 | 大城幸泰 | 3番 | 一塁 | 赤嶺叡汰 |
投手 | 新垣僚麻 | 4番 | 遊撃 | 手登根諒介 |
一塁 | 砂川 聖 | 5番 | 捕手 | 屋比久侑 |
三塁 | 田中 慶 | 6番 | 右翼 | 日高雄大 |
捕手 | 金城健介 | 7番 | 左翼 | 上間滉太 |
二塁 | 小波津佳希 | 8番 | 投手 | 島袋洋平 |
中堅 | 上原拓海 | 9番 | 三塁 | 宇根孝介 |