都立東村山vs芝浦工大高
佼成学園・田中
下位打線が活躍した東村山、打線小噴火で快勝
東京都の秋季大会はブロック予選から始まるが、これが新チームとしても初めての公式戦となる。どんなチームであっても、やはり新チームの初公式戦は緊張感が違うはずだ。ことに、2年生で初めて背番号を貰ってベンチ入りしたり、1年生で先発メンバーになった選手の緊張感は格別だ。3年生が多かった東村山は、投手の小宮山君を除くとほとんどがそういう選手である。
芝浦工大高は11人、東村山は17人という、共に20人にも満たない小世帯同士の対戦だったが、夏休みの練習でやってきたことを、公式戦を初めての発表の場として披露しようという思いは感じられた。
その試合で、東村山は2ケタの背番号をつけた七、八、九番の下位打線の瀧田君、穂積君、島崎大君の三人が8安打5打点と大活躍して気を吐いた。2回の同点打、4回の逆転打も八、九番だった。
6回に一旦は逆転された東村山だったが、直後の7回、下位打線の活躍に刺激されたかのように、鈴木渉君、永島君、小磯君の二~四番が奮起して再逆転。さらに、飛球失策とスクイズ、七番以下の3連打でこの回6点を奪ってビッグイニングとした。これで、試合の流れそのものも、一気に東村山のものとなった。
芝工大高・黒田君
8回にも東村山は、二人目として、ショートからマウンドに登っていた楠君からも、失策や野選もあって3点を追加してコールドゲームスコアとして、そのまま小宮山君が2死満塁を逃れて逃げ切った。
結果としてはコールドゲームとなって、東村山は快勝だった。長澤良和監督は、「夏休みの練習試合では、15点、20点を平気で取られていたチームです。それが、今日は(小宮山投手の)スライダーが比較的よく低めに決まっていました」と、評価した。さらに、12点を奪った打線に関しては、「ゴロを打て、強い打球を打てということを言っていたのですが、ポーンと上げてしまったのが、たまたま、いいところに落ちたというのが多かったですね」と、コールドゲームとしながらも、ポテン安打などが多かったこともあって、打線大爆発とはいかず、小爆発程度だったことを評価しつつも、見直すべきテーマとして掲げていた。
6回に、一度は逆転しながらも直後に大きくひっくり返されてしまった芝工大高。この日は、八木久則監督が修学旅行の引率を優先せざるを得ない状況になっていて不在だったということも、影響していたことも確かであろう。それでも、守りで崩壊するということもなく、随所に好プレーも見られ、チームとしては11人ながらも、きっちり練習を積んできているのだろうという印象はあった。
(文=手束仁)