日本航空vs日川

失策が変えた流れの魔力

　早朝　強い雨に見舞われ試合開始時刻が大幅に遅れた第二試合は１３時を過ぎた頃に始まろうとしていた。
一昨年甲子園出場の山梨県立日川高校と夏の大会 準優勝の日本航空高校の一戦となった。

キャッチボールが終わりベンチに戻ってきた日本航空高校のベンチ入りメンバー全員が自軍ベンチ前に一列に整列した。　大きな声のアカペラで校歌を歌い出したのだ。　また試合開始直前にもベンチ入りメンバー全員で帽子を取りスコアーボードに向いたと思えば　”ありがとう高校野球”と全員が大きな声で１０回唱える。最近は特色のある高校が増えた中でも日本航空高校のそれはとても勇ましく　かつ爽やかに球場内に響き渡る。

ところで両チームの試合開始前のシートノックであることが目についた。
両チーム共にノック内での失策が非常に多いのだ。雨上がりの良いとは言えないグラウンド状態であるとはいえ、それを割り引いても非常に多いと感じる。

２回表　日本航空高校は先頭６番伊藤君のショートゴロがエラーを誘い無死１塁。
続く７番浦澤君のピッチャーへの送りバンドが悪送球エラーを誘い無死１塁３塁とする。２つのエラーから日本航空は先制点のチャンスを得る。1死後、９番北原君のツーベースで２点を先制する。

4回表　日本航空高校は１死から先ほどタイムリーを放った９番北原君が左中間へ２塁打を放ち１死２塁のチャンス。ここは日川高校　芦澤投手が後続２人を外野フライに打ち取り無得点で切り抜ける。
この２人を打ち取る際に芦澤投手は自身の真骨頂とも言える緩急を見せつけた。
80ｋｍ台の変化球の後に来る１１５ｋｍのストレートがとても速く感じる。この外野フライ２つはどちらも完璧に詰まらされた力のないフライだった。

４回裏　ここまでノーヒットで日本航空堀君に完璧に抑えられて来た日川高校が反撃にでる。

6回表に日本航空は２番亀田君のレフトへの２ランホームランで4-4の同点に追いつき日川高校芦澤君をノックアウトする。マウンドには背番号１をつけた小澤君がマウンドへ上がる。７回裏　日川は３番吉岡君のレフトオーバータイムリー２ベースで5-4と再逆転に成功する。

しかし、シーソーゲームはまだ終わらない。今度は8回表　日本航空は先頭の８番堀君の内野安打、９番北原君の投手ゴロが悪送球を誘い無死１，２塁とする。１番井平君の時　パスボール２つで5-5の同点に追いつく。
日本航空はヒット１本で同点に追いついた。その後　内野安打と２ベースヒットで7-5とし日川高校エースの小澤君をノックアウト。捕手の吉岡君がマウンドへ向かい投手交代。吉岡君も４番下里君に犠牲フライを打たれ8-5とされる。

日川は8回裏に１点を取り返すも反撃はここまで。9回表にも３つの四球等で２死ながら満塁とされ3番寺沢君のライト前タイムリーでダメ押しの２点を取られ10-6とされ試合終了。