川越工vs豊岡
川越工・厚川君6点目のホームイン
川越工がソツなく加点して8回コールドゲーム
夏休みに行われた、新チームの最初の大会でもある埼玉県西部地区新人大会を制した川越工。その戦いぶりは評判が高かったので、どういう試合をするのか注目していた。結果的には、小刻みに2点ずつを挙げて8回コールドゲームで攻守にまとまりのよさを示した。
川越工は初回、1死二三塁から4番厚川君の左中間二塁打で2点を先取する。1点を返された3回にも、1死二三塁から、今度は5番古谷君の左中間でさらに2点を追加。
そして、川越工は4回からは、大浦君をリリーフに送った。大浦君は、福島県の双葉町の出身で、先の東日本大震災で被災して、小高工から四月に転校してきたのだが、チームにはすっかり溶け込んでいる雰囲気だった。熊澤光監督も、「彼は、真面目で本当によく練習する選手で、今までにウチにはいなかったタイプの子かもしれませんが、成績もよくて努力家で、いい刺激になってくれています」と、目を細める。
その大浦君は、予定より少し早い登板となってしまったこともあってか、リリーフ直後は少しバタついたところもあったみたいだったが、投げていくうちに落ちついていって、右サイドからスーッと沈んでいくようなクセ球が効果的だった。熊澤監督は、「ブロック代表決定戦ですから、やはりしっかりと勝ちにいかないといけません。だから、(先発は)制球のいい高梨でいったのですが、それが四球を連発してしまうという形だったので、予定より早く大浦の投入となりました」と言っていたが、川越工としては、他にも140キロを超えるスピードボールが持ち味の小澤君がいる。この3人の投手が機能していけば、この秋は面白い存在になっていきそうだ。
川越工は、7回にも古谷君が2者を返す中越二塁打し、8回には代打鋒山君の三塁打とスクイズで8点目を奪い、7点差をつけてコールドゲームとした。
豊岡としては、序盤は比嘉投手がのらりくらりとした投球で、何とかかわしていたのだが、徐々に点差を広げられていくという展開で、防ぎようがないという形になってしまった。2、3回に四球で好機を貰い、攻め入るチャンスがあったのだが、攻略しきれなかったことが、最後まで響いてしまって、気がついたらコールドゲームになってしまったという感じだった。ビッグイニングよりも、こうした形で得点されていくことが、実は一番堪えるという典型のような試合展開になった。
(文=手束仁)