浦和学院vs東北
佐藤(浦和学院)
浦和学院のニューユニホーム、未だ負け知らず
浦和学院のニューバージョンユニホームの連勝が続いている。
今春の関東大会でいわば試着使用した形でデビューしたジャパン代表型デザインのユニホームだが、この大会で優勝。
夏の大会は伝統の旧ユニホームで戦い準決勝敗退。甲子園を逃した。
そして、秋季県大会も旧バージョンで戦ったが優勝。ここで、このユニホームを胴上げして(中身は森士監督だったのだが)、浦和学院としては一つの歴史を閉じた。
そして、新しい浦和学院として、ニューバージョンユニホームで戦った関東大会でも千葉経済大付、横浜、東海大相模と並みいる関東の強豪を下して優勝。
明治神宮大会に駒を進め、初戦で全国に披露した形になったニューユニホームでまた勝利。
これで、ニューユニホームは9戦全勝だ。
森監督自身も気に入っているという子のユニホーム、縁起のよさも格別のようだ。
初回、浦和学院は投手で一番の佐藤拓君が、東北の先発左腕夏井君に対して、いきなり中前打。
バントで進むと、小林君も三遊間を破り一三塁。沼田君も同じように三遊間を破って先制。
さらに、2死となってから六番石橋君が二塁手のグラブを大きくはじく三塁打を放って二者が帰り、3点が入った。
石橋のタイムリーで追加点、初回に3点を奪う(浦和学院)
3回にも1死から沼田君、日高君の連打で好機を作ると、森君の内野安打と遠藤君の中前打でこの回にも2点。完全に主導権を握る形となった。
佐藤拓君は、関東大会以降疲れもあってほとんどノースロー調整をしてきたということで、この試合はいわばぶっつけ本番みたいな形になった。
その分、本来の球の伸びや切れはなかったが、投球術の巧さは相変わらずだった。
持ち球のツーシームが効果的で、相手打者をひっかけさせる。見た目は、それほど威圧感があるわけではないのに、打ってみたら打てない。
打者としては、もっとも打ちあぐねてしまうタイプの投手といえるのかもしれない。
東北打線も、ある程度は安打も放っていいたのだが、結果的には6回、上村君の特大右犠飛と吉川君の適時打で挙げた2点にとどまってしまった。
8、9回も無死で安打の走者が出たのだが、いずれも併殺。打たされるべくして打たされたような形になってしまった。
五十嵐正征彦監督も、「わかっていても打たされてしまっていました。かといってそれを見逃していると、思い切って振れなくなってしまいます」と、相手投手の上手さに脱帽していた。
人工芝対策としては、森監督の母校でもある東洋大学にお願いして、グラウンドを使わせてもらって練習してきたという浦和学院は守備でも万全だった。
投攻守高いレベルで安定してまとまっているという印象である。
(文=手束 仁)
(写真=高校野球情報.com編集部)
(写真img33~img65=中谷 明)