浦添商vs那覇商
玉城(浦添商)
終盤の猛打で浦添商が快勝!
今年で21回目を迎えた商業大会。
昨年からは優勝カップに加えて優勝旗も用意され、商業高校にとっては本格的なイベントになっている。
参加は浦添商、中部商、那覇商、八重山商工、名護商工、具志川商、南部商、宮古総実の8チーム。4チームずつ2会場に分かれて初日を行い、翌日に決勝が行われる。
大会が始まった当初は商業高校の甲子園出場がなく、商業高校の強化が目的だったが、現在は浦添商、那覇商、中部商、八重山商工と半分の4校が甲子園行きを果たしている。浦添商、中部商、八重山商工は大会のたびに上位進出し、沖縄野球を引っ張る存在に成長。大会を続けてきた成果が着実に表れている。
本来開幕予定だった前日29日は雨のため中止になったが、懇親会が行われ、各校の指導者、選手たちが学校を超えて交流を楽しんだ。
試合は今年、「打」のチーム作りを進める浦添商に対し、那覇商のサイドスロー・西平が好投。
ストレートを丁寧にコースに投げ分け、連打を許さない。走者を出した後も、4回、5回と2イニング連続で内野ゴロ併殺打を打たせるなど、落ち着いた投球を見せた。7回まで5安打1失点。球数も68球と快調だった。ところが、8回に入り、制球が甘くなる。代打の與那嶺康に二塁打、投手の比嘉嵐に中前打(センターが弾いて二塁走者は生還)を許して降板した。
那覇商は二番手の左腕・渡真利が誤算。
代わりばな、與儀に右前打を許すと、犠打の後、カラム、玉城に連続二塁打。9回にも2死三塁から自らの失策で失点すると、四球、安打の後、玉城に中越えの三塁打を浴びて4失点。あっというまに8点を失った。
これには平良監督も「(7回制の)中学野球だったらいい勝負だったんだけどね」と苦笑い。中盤までの接戦が、思わぬ大差での決着になった。
浦添商は本塁打が出ればサイクル安打の活躍を見せた玉城の打撃が光った。
トップでやや力んだように見えるが、変化球にもうまく対応。初球から打っていく積極性に加え、逆らわずに右方向へ打つこともできる。165センチ、92キロの巨体ゆえに足は遅いが、2年生ながら打撃力だけなら間違いなく沖縄屈指の実力だ。
キーマンである一番の與儀、カラム、玉城、大嶺と長打の打てるクリーンアップ、下位にも勝負強さが光る2年前の捕手・一樹の弟、山城征記が控える。
淡白さは気になるが、2年前に威力を発揮した機動力や小技を絡められれば、しっかりとした“打線”になるはず。神谷監督が夏までにどう仕上げてくるか注目だ。
(文=田尻 賢誉)
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