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若手がレギュラーへ前進、ベテランは記録更新も/近畿地区OB

2021.08.15

若手がレギュラーへ前進、ベテランは記録更新も/近畿地区OB | 高校野球ドットコム
岡本 和真(智辯学園-巨人)

 夏の甲子園が2年ぶりに開幕した。全49校が深紅の大優勝旗を目指して熱戦を繰り広げることだろう。出場する全49校からは多くのNPBプレーヤーが誕生している。そのなかで代表的なOBや、今シーズンも現役でプレーしている選手はどれだけいるのだろうか。地区ごとで振り返ってみたい。

 近畿地区からは近江(滋賀)、京都国際(京都)、大阪桐蔭(大阪)、神戸国際大附(兵庫)、智弁学園(奈良)、智弁和歌山(和歌山)の6校が出場している。

 植田 海(阪神)らを輩出している近江は高卒ルーキーの土田 龍空(中日)が注目を浴びている。まだ一軍での出場はないが、二軍では72試合に出場し打率.254(169打数43安打)と高卒ルーキーとしては合格点の数字。また守備面での評価も高い。後半戦での一軍デビューもありそうだ。

 京都国際OBでは高卒2年目の上野 響平(日本ハム)が4月に一軍デビューを果たした。1週間ほどで登録を抹消されたものの4試合に出場。そのうち2試合はスタメン出場だった。その後は二軍で汗を流しているが、後半戦では初安打に期待がかかる。

 全国屈指の強豪校で多くのOBを輩出している大阪桐蔭は、ベテラン、中堅、若手と各世代で現役選手がプレーしている。ベテランの中村 剛也(西武)は71試合の出場で9本塁打。2年ぶりの2桁本塁打にあと1本と迫っている。また通算433本塁打となっており、NPB歴代14位となる長嶋 茂雄(巨人)の444本塁打も視界に入る。後半戦で本塁打を積み上げ長嶋超えを目指す。

 日本代表として東京オリンピックにも出場した浅村 栄斗(楽天)は、10本塁打と本塁打こそ少ないものの出塁率.427はリーグ2位。8年ぶりとなるリーグ優勝には欠かせない存在だ。

 若手では根尾 昂(中日)が少し苦しんでいるものの、藤原 恭大(ロッテ)はスタメンに定着した。一軍再昇格を果たした7月は9試合で打率.400(35打数14安打)、2本塁打、5打点、4盗塁と大当たり。「2番・中堅」を手中に収めつつある。

 神戸国際大附のOBではベテランの坂口 智隆(ヤクルト)が巻き返しを狙っている。開幕一軍スタートだったものの自打球による負傷で登録を抹消され、前半戦は3試合の出場にとどまった。二軍戦では44試合の出場で打率.322(118打数38安打)と完全に復調。後半戦から一軍へ復帰し、チームの上位争いの助けとなりたいところ。

 岡本 和真(巨人)が智弁学園のOBでは別格の存在だ。現在本塁打と打点でリーグトップを走り2年連続となる二冠王へ視界良好。エキシビションマッチでも本塁打を重ねており不安はない。開幕前にヤクルトから巨人へと移籍した廣岡 大志は47試合の出場で打率.194(67打数13安打)、2本塁打とやや苦しんでいる。後半戦ではもう少し結果が欲しい。甲子園優勝投手で大卒1年目になる村上 頌樹(阪神)は、一軍デビューを果たすも3回途中5失点とプロの洗礼を浴びた。

 智弁和歌山のOBでは高卒3年目の林 晃汰(広島)がブレイクした。三塁のポジションで起用され、前半戦では打率.327(153打数50安打)、4本塁打と結果を出した。小園 海斗坂倉 将吾らとともに次代の広島打線を形成することに期待がかかっている。

 一方で西川 遥輝(日本ハム)が69試合で打率.237(241打数57安打)と低迷中。11盗塁に対し5盗塁死と自慢の足でも苦しんでいる。チームの上位浮上に西川の復調が必要不可欠。後半戦での巻き返しとなるか。
(※成績はすべて8月12日現在)

【近畿地区の出場校OB】
※2021年シーズンNPBもしくはMLB所属

近江(滋賀)
植田 海日本航空(退学)→近江→2014年阪神5位)
京山 将弥近江→2016年DeNA4位)
土田 龍空近江→2020年中日3位)

京都国際(京都)
曽根 海成京都国際→2013年ソフトバンク育成3位)※現在は広島で支配下
上野 響平京都国際→2019年日本ハム3位)
早 真之介京都国際→2020年ソフトバンク育成4位)
釣 寿生京都国際→2020年オリックス育成4位)

大阪桐蔭(大阪)
中村 剛也大阪桐蔭→2001年制部2巡)
岩田 稔大阪桐蔭→関西大→2005年大・社・阪神希望枠)
平田 良介大阪桐蔭→2005年高・中日1巡)
中田 翔大阪桐蔭→2007年高・日本ハム1巡)
浅村 栄斗大阪桐蔭→2008年西武3位)
江村 直也大阪桐蔭→2010年ロッテ5位)
藤浪 晋太郎大阪桐蔭→2012年阪神1位)
森 友哉大阪桐蔭→2013年西武1位)
岡田 雅利大阪桐蔭→大阪ガス→2013年西武6位)
香月 一也大阪桐蔭→2014年ロッテ5位)※現在は巨人
高山 優希大阪桐蔭→2016年日本ハム5位)※現在は育成
澤田 圭佑大阪桐蔭→立教大→2016年オリックス8位)
山足 達也大阪桐蔭→立命館大→ホンダ鈴鹿→2017年オリックス8位)
根尾 昂大阪桐蔭→2018年中日1位)
藤原 恭大大阪桐蔭→2018年ロッテ1位)
横川 凱大阪桐蔭→2018年巨人4位)
柿木 蓮大阪桐蔭→2018年日本ハム5位)
正隨 優弥大阪桐蔭→亜細亜大→2019年広島6位)
福田 光輝大阪桐蔭→法政大→2019年ロッテ5位)
中田 惟斗大阪桐蔭→2019年オリックス育成3位)
仲三河 優太大阪桐蔭→2020年西武7位)

神戸国際大附(兵庫)
坂口 智隆神戸国際大附→2002年近鉄1巡)※現在はヤクルト
石岡 諒太神戸国際大附→JR1東日本→2015年中日6位)※現在は育成
宗接 唯人神戸国際大附→亜細亜大→2016年ロッテ6位)
蔵本 治孝神戸国際大附→岡山商科大→2017年ヤクルト3位)
小深田 大翔神戸国際大附→近畿大→大阪ガス→2019年楽天1位)
平内 龍太神戸国際大附→亜細亜大→2020年巨人1位)

・智弁学園(奈良)
岡本 和真(智弁学園→2014年巨人1位)
廣岡 大志(智弁学園→2015年ヤクルト2位)
村上 頌樹(智弁学園→東洋大→2020年阪神5位)

・智弁和歌山(和歌山)
岡田 俊哉(智弁和歌山→2009年中日1位)
西川 遥輝(智弁和歌山→2010年日本ハム2位)
東妻 勇輔(智弁和歌山→日本体育大→20118年ロッテ2位)
林 晃汰(智弁和歌山→2018年広島3位)
東妻 純平(智弁和歌山→2019年DeNA4位)
小林 樹斗(智弁和歌山→2020年広島4位)
細川 凌平(智弁和歌山→2020年日本ハム4位)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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