Column

愛工大名電が夏8強も東海勢は甲子園で負け越し 東海地区の2022年の高校野球を総括

2022.12.25

愛工大名電が夏8強も東海勢は甲子園で負け越し 東海地区の2022年の高校野球を総括 | 高校野球ドットコム
谷公希(三重)、伊藤基佑(愛工大名電)、松永陽登(日大三島)、山田渓太(大垣日大)

 愛知県を中心として、全国的にもレベルは高いといわれている東海地区の高校野球である。しかし、結果としては甲子園ではなかなか上位に残り切れないというところもある。それでも、各校の質の高さは評価されていた。この夏は、愛工大名電がベスト8まで進出して、東海地区の健在ぶりも示した。

 ただ、全体の印象としては、甲子園での実績という点では、やや低調だったという印象は否めない。というのも、春は日大三島(静岡)が初戦敗退。大垣日大(岐阜)も只見(福島)には勝利したものの2回戦では星稜(石川)に完敗。

 そして、夏は愛工大名電こそ星稜八戸学院光星(青森)、明豊(大分)といった相次ぐ難敵を振り切って41年ぶりにベスト8に進出したものの、春夏連続出場を果たした日大三島國學院栃木(栃木)に、三重三重(三重)は強豪横浜(神奈川)に、そして県立岐阜商(岐阜)は大会中にコロナに見舞われたという不幸もあって(兵庫)に、いずれも初戦敗退ということになってしまった。

 つまり、春夏通して東海勢の甲子園成績は4勝6敗ということで負け越しとなってしまった。かつて、甲子園を席巻した時代もあった東海勢としてはいくらか残念な結果でもある。とはいうものの、各地区での戦いぶりを見ていると、それほど悲観するものでもない。

 静岡県では日大三島加藤学園知徳など東部地区勢が台頭してきて、3地区の勢力が拮抗してきた。3地区のバランスが取れてきたことで、さらにそれぞれの地区同士の対抗意識も強くなり、切磋琢磨されていくのではないだろうか。

 愛知県では、享栄の復活によって伝統の私学4強の勢力が増した上に、至学館愛知産大工愛知といった名古屋市内勢が健闘。さらには愛知黎明の尾張地区勢、愛知産大三河豊川、愛知桜丘、豊橋中央といった三河地区の私学勢も結果を残している。加えて知多地区では大府東浦日本福祉大付、さらには西三河地区では刈谷西尾西尾東安城、岡崎工らの公立勢、東三河でも成章豊橋西時習館渥美農などへの期待も高い。

 岐阜県では県立岐阜商大垣日大、岐阜中京に岐阜第一の4強に、市立岐阜商大垣商大垣西岐阜などの各校が食い下がる。夏の選手権で準優勝を果たした帝京大可児、ベスト8に残った美濃加茂岐阜聖徳学園といったところも結果を残した。

 三重県でも夏の優勝校の三重三重を筆頭に津田学園、三重海星の私学勢がリードしたが、津商菰野いなべ総合などの公立勢も健闘した。さらには、それらを追って、白山宇治山田商松阪商などが競い合っている。今年から、三重県の春秋の地区割が北地区、中地区、南地区の3地区ということになった。それぞれの地区大会からも目が離せない。

 東海4県、いずれにしても来年へ向けて、大いに期待は膨らんでいく。

(記事:手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.27

【京都】龍谷大平安、京都成章、北嵯峨などが2次戦進出戦に挑む<春季大会>

2024.04.27

横浜に入学した「スーパー1年生5人衆」に注目せよ! 佐々木朗希二世、中学日本代表の二刀流など明日の慶應戦で活躍なるか!?

2024.04.27

【大阪】3回戦は28日に大阪桐蔭、履正社が登場、29日には上宮-関西創価など<春季大会>

2024.04.27

【滋賀】シードの滋賀学園、彦根総合が登場<春季県大会>

2024.04.27

【春季千葉県大会】中央学院が逆転勝利でベスト8!15奪三振完封の好投手の攻略に成功

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.22

【九州】神村学園、明豊のセンバツ組が勝利、佐賀北は春日に競り勝つ<春季地区大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!