3年生座談会 県立那覇西高等学校(沖縄)vol.1 「沖縄大会初のベスト4!」
創立30周年を迎えた那覇西。これまで夏の大会での最高位はベスト16であったがこの夏、同校初の8強進出ばかりでなくベスト4まで駆け上がった。熱い夏を過ごした彼らの元に伺い、試合での思い出など振り返ってもらった。
【 座談会メンバー 】
赤嶺 由生郎:7番ピッチャー。ベスト4進出の立役者。誰もが認める大黒柱として全試合全イニング741球を投げ切り、防御率1.41。沖縄工戦と宜野湾戦で二桁奪三振をマークするなど、奪三振率6.35の好成績を残した。
我那覇 翔也:2番セカンド。163cmと小柄ながら、準々決勝まで毎試合安打を記録。宜野湾戦の13回のサヨナラ打といい、前原戦の12回の決勝点のきっかけとなる二塁打など、特に終盤で存在感を発揮した。
新田 一惟 :3番センター。前原戦の12回、二塁打で出た我那覇を返すタイムリーを放ちベスト4進出に貢献。準決勝の嘉手納戦では仲地玖礼から3安打を記録。毎試合安打をマークするなど打率.333の成績を残した。
宮城 律希:4番ファースト。181cmと立派な体躯でコザ戦で二塁打と三塁打を、宜野湾戦でも二塁打を放つなど長打力抜群の不動の4番として活躍。新田と同じく毎試合安打をマークし、打率.364を残した。
高江洲 龍斗 :5番キャッチャー。高校で初めてキャッチャーに挑戦。赤嶺を好リードしベスト4進出に貢献。初戦の沖縄工戦と次のコザ戦(試合レポート)で連続複数安打をマークするなど、チームを波に乗せた。
初の沖縄大会4強入りを果たしての思い
我那覇 翔也選手(県立那覇西高等学校)
――今日はお集まりいただきありがとうございます。準決勝から4日経ちましたが、率直な今のお気持ちを聞かせて頂きますか。
赤嶺:ベスト4は那覇西としても初めて。僕たちが那覇西の歴史を変えたぜという面では素直に嬉しいです。
高江洲:那覇西=サッカー部や陸上部というのがあって、それを野球部もあるんだぞ!というのをアピールしたいと、この夏の前に考えていました。甲子園は行けなかったけど、史上初の4強は素直に嬉しかったし誇りに思います。
宮城:サッカー部や陸上部よりもキツイ練習をしてきたという自負はある。みんな厳しい練習でも弱音を吐かずに結果を出したことは良かったです。満足はしていないけど正直嬉しいですね。
我那覇:ずっと甲子園目指してきてのベスト4だったけど、この仲間と一緒にやってきたのは一生の財産になると思います。ぶつかり合いもしてきたけど、みんなで乗り越えてきたから良い夏を迎えられました。また将来、みんなで集まって語り合いたいです。
新田:甲子園は夢のまた夢という感じで。こんなに弱い(成績がついてこない)のに、何故こんな厳しい練習を?と思ったりしたけど、自分たちの代は意識高く取り組めました。冬トレも頑張って気が付いたら強くなってたな。甲子園は行けなかったけど自分たちの分まで嘉手納高校さんには頑張って欲しいです!
那覇西の名物練習といえば?
赤嶺 由生郎選手(県立那覇西高等学校)
――キツイ練習、厳しい冬トレを乗り越えたからこその、この夏の大躍進。どんな練習が頭に残ってますか。
赤嶺:最上級生になってからこれでもか!というくらい走ったよな。
新田:走った、走った!
赤嶺:秋にこれだけ走ったのだからもう大丈夫だよなと思ったら冬トレでパワーアップ系の筋トレ。だけどみんな、練習おわっても校内にあるウェイトルームで鍛えて。それ見た俺は『は?お前らあれだけやったあとだぜ?』なんて思っていたけど、そんな野球バカたちに俺も引っ張られて。そうやって意識の高さを感じてました。
高江洲:スプリント系のトレで、すねを痛めて(笑)
赤嶺:分かる!
我那覇:あれは痛かったよな!
高江洲:それでも練習から抜けられないという雰囲気があって、それが試合での粘りの野球が培われました。
新田:確かに。
高江洲:身体がどんどん強くなっていくのを実感しながら冬を過ごす中で楽しくて。強い意志を持ちつつ楽しく乗り越えられたのは一番の収穫でした。
新田:健大高崎のようにボールを挟んで走ることも、そのときは練習の目的が理解できなかったり、山城 和也流(監督)のサーキットトレも何だコレ?と思いながらやってたけど、今になるとありがたいことだなと感じています。
我那覇:何といってもキツかったのは秋の練習での一日中ベースラン。
宮城:やっぱそれだよな。
我那覇:60周回になったり、片足飛びでベースランしたり。砂袋抱えて走ったり。
赤嶺:ある日グラウンドにボールが1個落ちてて。一日中走りで潰したり。あれはキツかった!
宮城:グラウンド使えるのも限られている中でずっと走ってるともったいないなぁと。
我那覇:大会一週間前にやった、一日中かけての清掃。でもあれで集中力が培われたね。
宮城:心がクリーンになった。
高江洲:夏の大会はエラーが無かったけど、一日中やったボール回しが生きていたかな。
赤嶺:朝必ず行ったランニング。
新田:今日の走りは15分でいいよ、と言いながらやっぱりあと5分!と。期待を裏切らない(笑)山城 和也先生でした。
宮城:そうは言いつつも、最後は和也先生のためにも勝つぞってなった。
赤嶺:苦しい練習だったけど、いまこうやって振り返りながら笑いあえるというのは、やってきたことは間違いではなかったと思うよ。
まだまだ座談会は続きます!第2回もお楽しみに!
(取材・写真=當山 雅通)
今年も大好評!
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