【センバツ出場校分析】県立桐蔭高等学校（和歌山）

【チーム構成の特徴】

秋季大会登録は19人で、全部員がベンチ入りした。新2年生が12人で、新3年生の7人より多い構成となっている。
右投げ左打ちは8人で、左投げ左打ちは1人。レギュラー格は4人が左打者。
全選手が和歌山県出身で、学校所在地・和歌山市の中学を卒業したのは13人。なお1人は小学校が富山県富山市だった。併設の中学校出身も1人いる。

【ディフェンス面】
投手陣のコントロールの良さは抜群で、投手陣全体の1試合平均与四死球は1.71で32校中、糸満に次いで2位となる。中でもエースの伊澤 由紘がほとんど1人で投げ抜いた。イニング数41回2/3で防御率3.02。新人戦準々決勝の笠田戦では延長10回の接戦の中、無四球で投げ抜いた。逆転負けを喫した和歌山県大会二次戦準々決勝の箕島戦の9回2アウトで初めてマウンドを梅本 翔馬に譲っている。
バックは1試合平均失策が1.71で、32校の中では下から3番目。特に箕島戦の逆転負けは守備のミスがきっかけだった。伊澤の失点17と自責点14の差である3という数字の意味が大きく感じる。

【オフェンス面】
チーム打率0.325は32校の中で16位。全51安打中、長打の割合は21.6%で25位だが、全てが二塁打であり、三塁打と本塁打は1本もなかった。
打線の中で目立った成績を残したのが5番を打つ橋中 基岐。打率0.529、二塁打4、打点7はいずれもチームトップで、まさにカギになる選手と言えるだろう。
チーム全体では1試合あたりの平均三振が3.14で、32校の中では7番目に少ない。全国クラスの好投手が相手になった時に、この数字がどうなるか見てみたいところだ。

【戦い方から見える傾向】
新チーム最初の実戦は7月25日。新エースとなった伊澤 由紘は27日の有田中央戦で初完投すると、夏休みの間だけで6度完投して新人戦へと入っていった。

新人戦ではベスト4に入り、一次戦は免除され、3週間ほど練習試合を組める期間ができた。その間には西脇工業や明石など兵庫県とのチームと多く試合をこなしている。結局二次戦は初戦の準々決勝で敗れ、今大会出場校の中で唯一、県外のチームと1試合も公式戦を戦えなかった。逆の見方では、県外と戦っていないため、未知の魅力があるとも考えられる。また、9月に秋が終わったのも桐蔭が唯一である。すなわち、10月以降は夏を見据えてのチーム作りが始まったと言えるだろう。その10月以降は、搭南や市和歌山などと練習試合を組んだが、伊澤を含めた多くの投手で継投をする投手起用をしている。

公式戦5試合中、コールドゲームが1試合、延長も1試合で、1試合当たりの平均イニングは8.60。