【センバツ出場校分析】立命館宇治高等学校（京都）

山下 太雅（立命館宇治）

【チーム構成の特徴】

秋季大会登録は18人で、岡山理大附属と並んで32校で最も少ない。その内、右投げ左打ちは2人で、左投げ左打ちは3人。レギュラー格は4人が左打者。
新2年生と新3年生が9人ずつの構成も特徴の一つ。
京都府出身は8人で、附属中学を卒業した1人が学校所在地の宇治市出身。府外の内、近畿地方以外の出身者は1人だけ。ただ小学校だけは九州地方出身で、中学は近畿の学校を卒業したというのも1人いる。アメリカの中学を卒業した選手は、小学校は大阪府だった。

【ディフェンス面】
エースの山下 太雅が全ての試合を1人で投げ切り、公式戦での継投は一度もなかった。防御率3.13は32校の主力投手の中で5番目に悪く、与四死球率5.87も主力投手の中でワースト1位だった。しかし、試合毎の数字を見るとこれが山下のリズムなのではないかということも見て取れる。そして京都2回戦の北稜戦では1安打4四死球に抑えて完封した試合もあった。不思議な投手という印象だ。

1試合平均失策は1.57で32校の中で下から7番目。失策は全て内野手だった。ただ乱戦となった神戸国際大附属戦（試合レポート）では無失策だったことが勝因の一つにもなっている。
許盗塁は全12個の内、8個が京都準決勝の京都鳥羽戦と決勝の龍谷大平安戦だった。近畿大会では決勝の天理戦で舩 曳海に許した1個だけ。走力のあるチームに対して、どう対応するかがこの数字のカギと言えるかもしれない。

【オフェンス面】
チーム打率0.335は32校の中で12位。全111安打に占める長打の割合は22.1%でこちらは21位となっている。その他、際立つ数字は1試合平均四死球6.48と平均犠打飛4.16で、ともに32校中、2位となった。四死球と犠打飛、この2つが攻撃の特徴を示している。

中でも2番・上西 良明は11犠打飛を記録し、出場全選手の中で2番目に多かった。四死球でも上西の10個と6番・北原 卓磨の11個が目立っている。近畿大会1回戦の神戸国際大附属戦では9個の四死球を得て、なおかつ押し出し四球が勝負の決め手となった。
4番・伊藤 大賀は、18安打を放ち打率0.400。打点17は全出場選手の中で、仙台育英の郡司 裕也に次いで2番目に多い。

【戦い方から見える傾向】
新チーム最初の実戦は7月29日。夏休みの練習試合を見ると、エース山下 太雅が完投した試合が多く、当初から期待されていたことが窺える。山下が先発すれば、基本的には継投をしなかった。公式戦では失点の多さが気になるが、練習試合では8月9日の常葉菊川戦など4試合で完封した実績もある。
公式戦のコールドゲームは2試合で、1試合あたりの平均イニングは8.45だった。11試合中8試合を二桁安打で勝っているが、敗れた試合に限ると、龍谷大平安との京都決勝が3安打、天理との近畿決勝が5安打と抑えられており、このあたりに課題が見て取れる。