【センバツ出場校分析】敦賀気比高等学校（福井）

平沼 翔太（敦賀気比）

【チーム構成の特徴】

秋季大会登録は22人。その内、7人が右投げ左打ちで、左投げ左打ちも4人いる。レギュラー格は5人が左打者。
福井県出身はエース・平沼 翔太と5番・山本 皓大の2人で、ともに福井市の中学を卒業している。残る20人は県外だが、その内11人は隣接する京都、滋賀、石川の出身。他にも大阪、和歌山、奈良、兵庫と近畿出身者が多い構成となっている。

【ディフェンス面】
絶対的エースの平沼 翔太が8試合に登板し4完投でその内、2完封。防御率1.33は32校の主力投手の中で11位となった。被安打率4.67は主力投手中4位で、北信越大会の4試合に限っては全て3安打ずつに抑えた。また与四球率1.83も9位で、投手部門では貫録の成績と言えるだろう。
188センチの大型右腕・山﨑 颯一郎は2試合で先発し、東 哲平監督の期待の大きさが窺える。
1試合平均失策は1.21。ただ全12失策の内、5個が明治神宮大会でのものだった。慣れない人工芝が影響したのかもしれない。

【オフェンス面】
チーム打率0.365と1試合平均安打12.30はともに32校中4位。全123の内、長打の割合は26.8%でこちらは16位。また1試合平均四死球の5.50は8位だった。
打線の柱もエース・平沼 翔太。新チームからは4番に座り、打率0.500を記録。本塁打3は全出場選手の中で2番目に多く、長打率0.906は主力選手の中で3位となった。さらに四死球も14あり、出塁率0.600は5位と軒並み打者ラインキングの上位に名を連ねている。
主将の篠原 涼は夏から引き続いて1番を打つ。打率0.429で、12打点を挙げた。また盗塁4は2番の中井 基継と同じ。さらにほぼ代走のみで起用される栗栖 千真も3盗塁を記録している。

【戦い方から見える傾向】

ベスト4まで勝ち進んだ夏の甲子園が終わったのが8月24日。エース・平沼 翔太、新主将となる篠原 涼などベンチ入り6人が残った。新チームの初戦は28日で、平沼の復帰戦は31日。9月7日の彦根総合との試合で先発している。14日の福井県大会初戦は平沼を先発に立てたが、しばらくは継投を主体とし、初めて完投したのは準決勝の啓新戦だった。ここで北信越大会出場を決めると、決勝の福井工大福井戦では平沼を登板させずに大敗。どの試合を勝負のポイントと考えていたかがこの投手起用から見て取れる。

また北信越大会の直前には旧チームで参加した国体があったため、かなりタイトな日程だった。それでも北信越大会では圧倒的な強さを発揮して、優勝している。
結局、明治神宮大会で九州学院に敗れた試合も平沼は登板しなかったため、エースが投げる試合とそれ以外ではっきりと中身に差が出た秋だった。
コールドゲームは4試合で、1試合あたりの平均イニングは8.18。

明治神宮大会後は、三重県で行われたくまのベースボールフェスタの練習試合に参加して秋を終えた。